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「じゃあヒカリの後見人はクライヴで決まりだね」


アルトにそう言われクライヴは「ああ」とだけ返事した。

「拒否権はない」と先ほど自分の口から言ったばかりだ。

それ以外の答えはできないだろう。


「では続けてシオの後見人を決めようと思うけど、その前に僕たちの自己紹介をしておこう」

そう言って自身も含めたキラキラ集団4名の紹介を始めた。


まずアルト。金の髪に眼。(ちなみに髪は腰の長さまである。)年齢は35歳。


次にジーク。銀の髪に碧い眼。年齢は34歳。


それからアレクザンダー。赤の髪に眼。年齢は25歳。


最後にエドワルド。青の髪に黒い眼。年齢は28歳。


余談だが、先ほど自身をおっさんと言っていたクライヴさんは43歳だった。

たしかにこの中だと一番の年長者だ。

最年少のアレクザンダーさんと20歳近く違うのだからあのようなことを言った気持ちは

私には十分理解できた。


紹介を終えたアルトさんに

「では早速ですが、あなたは誰に決めますか?」

と問いかけられたが、正直、今の時点では誰に決めていいのか分からない。

あまりにも判断材料が少なすぎる。

となれば、自分で確認するしかない。


「決める前に確認したいことがあるんですけど、いいですか?」


「どうぞ」


「ありがとうございます。まず、ご結婚されてる方は?」


意外な質問だったのか一瞬キョトンとされた。

そんなに変なことを聞いただろうか。


「僕とエドワルドです」

それに続けてアレクザンダーさんから

「まだ結婚はしてないが、俺は婚約者がいる」

との答えをもらった。


この世界で”婚約者”がどこまで意味のあるものなのか分からないが、

既婚者と同義と判断した方が賢明だろう。


「分かりました。ジークさんは彼女・・・恋人などは?」

と聞いたところ「いない」と端的な返事があった。


「では、アルトさんとエドワルドさんはお子さんは?」


「俺は2人いる。下の子はこの前生まれたばかりだ。」

エドワルドさんが答えると

「僕のところは妻が妊娠中です」

とアルトさんも続けてくれた。


「分かりました。

 では、私がここで何かしらの仕事をする、働くということについて

 どう思われますか?」


この質問には全員が賛成の意を示してくれた。

これが私にとっては結構重要だったりした。

実際のところはどうか分からないが、今の時点で労働することに難色を示されてしまうと

困るなと思っていたので良かった。


「さて、もう他に聞いておきたいことはないですか?」

アルトさんが最終確認をしてきた。

「はい、大丈夫です。とりあえず」


そして私は後見人にジークさんを指名した。



「ジークを選んだ理由を尋ねても?」


アルトさんは笑顔だったが、目は全く笑っていないように見えた。


「いいですけど、ご本人にはあまり気分のいいものではないので

 聞かない方がいいと思います」


一応やんわりと断ったが、本人であるジークさんではなく、アルトさんに

「そんなことは気にしなくて結構ですよ」

と言われた。


「じゃあ、失礼を承知で申し上げますので、そこはご了承ください。

 まず、アルトさんとエドワルドさんはお子さんが小さいのと奥さんが

 妊娠中とのことだったので、そんな中に知らない人間がいるのはストレスに

 なるかなと思って。

 アレクザンダーさんも婚約者がいるとのことだったので、自分の婚約者や

 これから住むかもしれない家に知らない人間が住むっていうのも嫌かなと。

 それでそこらへんの問題が今は特になさそうなジークさんにさせてもらいました」


自分で言っていてほんとに失礼だなと思った。

要するに消去法で一番無難だったからの一言に尽きる。

ここまで既婚者に対して配慮する必要はないかもしれないが、

自分が女性である以上、どんなに興味がない相手でもその妻や彼女に

誤解や疑念を抱かれれば終わりだ。

絶対に巻き込まれたくない。

私にとって最も面倒で避けたいトラブルだ。

自意識過剰と言われようが譲れない。


「なるほど。実に単純明快な理由ですね」

にっこりと納得したようにアルトさんは言ってくれたが、

皮肉に聞こえたのは私だけだろうか?

何だか突っ込むと面倒くさそうなので流すことにした。




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