君もきっと同じ空を見ているとか
君もきっと同じ空を見ているとか、
そんな恥ずかしいことは言わないよ。
僕の見る景色は、偏屈な主観を通して色彩を得て、
肯定的な感情や否定的な感傷を引き連れて心の中に溶けていく。
僕が何かを美しいと思ったとき、君はそうは思わないかもしれない。
ひとは同じ時間に同じ場所に立つことはかなわないのだから、
同じ景色を見れるはずがないのさ。
それが悲しいとか、悔しいとか、ナンセンスだよ。
だから僕は君と同じ景色を共にしたいなんて考えない。
そんなことをしていたら、僕らが一緒にいる意味がないじゃないか。
僕たちは同じ時を過ごしながら、別々のモノを見ていよう。
僕は僕の世界の美しさを君に伝えるよ。
だから君は君の世界の美しさを教えてよ。
僕たちの世界がたまに重なることがあったなら、
きっとそれが幸せってやつでしょう。