魔法4
「魔法は駄目でも、物理はどうなのかしらね〜?」
レイの前には身長3mは有ろうかという巨大な化け猫……になった、コハクが立っていた。
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「ちょっと!ピンチじゃないですか?!入学早々にあんな事言うから!!」
「カッカッカッ!なんじゃ心配してくれるのかえ?」
魔法使いは出会ってから1番の笑顔で楽しそうに笑いながら言った。
「いやぁ、この時は誠に愉快じゃったのう!」
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「魔法が駄目なら物理……ですか。やってみたらどうです?」
「こっの!良いわ、首かっ捌いてその澄まし顔、吹っ飛ばしてあげる……!!」
そう言ってコハクが手を振り上げた時だった。
「もぉぉおおおおお!!!!」
バキョ!バキャキャキャ!!!!
幼女先生が教卓の上にあった生首を引き裂くように2つに割った。
「なんでよ!!なんで先生の言う事聞いてくれないの?!先生は皆に仲良くして欲しいだけなのにぃ!ばか!ばかぁ〜!!」
そして、そう叫びながらレイとコハクに凄まじい勢いで投げつけた。
そしてその1つはレイの結界のようなもので弾かれ、その結果、2つともコハクに激突し、コハクは2m程吹き飛ばされた。
「うぅ……痛たた……っ?!ぎゃあああああ!!やだ!やだっ!」
コハクのこの狼狽、それもそのはず、コハクは生首の中身でドロドロであった。
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「カッカッカッ!愉快愉快!!」
隣の鬼畜魔法使い、大笑いである。
「儂に喧嘩を売ってくるような身の程知らずには当然の結果じゃわい。カッカッカッ!」
は?『儂に』?
「あ、あのう、魔法使いさん?今、『儂に』って……?」
「ああ、そうじゃ。自己紹介がまだじゃったのう。儂の名前はレイ。この世界に来てからは若童院の名字を貰って、若童院レイじゃ。」
「えっ……あっ、じゃあ、この少女って……?」
言わないでくれ、この可愛い少女が……
「儂じゃよ。」
儂じゃよ。
儂じゃよ。
儂じゃよ。
……
…………
………………
「儂……ですか……」
「うむ。儂じゃよ。」