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策があるんだが?

 時刻は19時48分。

 場所は旅館の408号室の部屋。

 俺は読書のフリをしながら、やつらの行動を観察することにした。


 俺を除いた4人。

 あいつらは円を作って何をしているのだろうか。

 ご飯を食べ終わって数分、様子見をしていたら円を作り始めたではないか。


 あれ?

 この光景、昨日も見たぞ。

 どうせ、ろくなことじゃないな。


「今晩こそ、覗くぞおおおおお!!」


「うおおおおお!!」


 東條の掛け声により、叫び出す馬鹿ども。

 ていうか、こいつらまだ諦めていなかったのか……!


「上条、昨日みたいな真似はもう許さないからな」


 前回、東條と他3人は覗きを計画していた。

 だが誤算が起き、上条とムキムキは離脱。

 残った東條と山田で女子風呂に行くことにした。

 しかし、そこで待ち伏せていた昇龍を始め、レスリング部、他の女子どもに返り討ちにあう。

 当たり前だ。

 あの昇龍やレスリング部に勝てるはずがない。


「任せとけって。策はある」


「策?」


 そう言うと上条はものすごい速さでスマホで何かを打ち始めた。

 何してるんだ?


「今、A組のグループラインに『女子風呂覗きをしたい男子は408号室まで!』って送っといたよ。これで仲間が増えるって寸法さ」


 なるほどな、グループに送ればそれを見たA組の男たちがここに集まるってわけか。

 だが、グループラインに送ったということはリスクもある。

 上条はそのリスクを承知の上でとった行動なのか?


「すごいよ、上条くん!これでみんな集まれば!」


「これで俺たちの勝利は確実だな!」


「お前らアホか!グループラインなんかに送ったらリアル女どもに覗くことがバレるだろうが!」


 山田とムキムキは喜んでいたが、東條だけは気付いていたようだ。


「そうだったあああああ!!」


 上条はやはり馬鹿だった。

 A組のグループライン。

 俺も仕方なく入っているが、A組全員入っていることは確認済み。

 それ以前に担任すらもグループラインに入っている。


 さあ、この状況をどうする、東條。



 しばらくすると、むさ苦しい男たちが何人も入ってきた。

 本当に来やがったよ。

 こいつら正気か?


「俺たちにも協力させてくれ」


 一人の男子生徒がついてきた男子全員を代表して協力を申し出る。


「もちろんだよ。そのために呼んだんだからね。では、作戦を説明する。みんな、パンフレットを用意して17ページを開いてくれ」


 上条の言葉に、その場にいる俺以外の全員がパンフレットを用意して同じページを開く。

 そのページにはこの旅館のフロアが全て描かれていた。


「ではまず、前回隆と山田くんは主に、昇龍さんとレスリング部にメタメタにされた。その対策として今回は……」


 話を始めてから10分後、奴らは叫び声とともに部屋を出て行った。

 流石に叫び出したときは気が狂ったのかと思った。

 だが、それは無意識に生み出したフェイク。

 奴らには心から覗きたいという意志があった。

 その意志に気の狂いはないだろう。


 しかし、そうも感じられない奴もいた。

 それが東條。

 あいつからは性欲としての覗きたいという意思は感じられない。


 そもそもの話、あいつは2年に上がってからおかしな行動ばかりとっている。

 1年の時の尋常じゃないほどのキモオタっぷりを発揮していたことや、暴走し出したこともそうだが、2年に入り、あんなにシャルロットたんシャルロットたんとか言っていたやつが急に覗きなんかするのか?

 今回もまたそういうような行動をとろうとしている。

 訳のわからないやつだ。


 だが訳のわからないやつだからこそ、興味が湧く。


 ふっ……面白い……


 観察がてら俺も行動に移すとしようか。

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