投資をしてみたんだが?
こいつを追い出すにはどうすればいい?
考えろ…考えるんだ拙者!
「試しに私に投資してみてください」
「だから投資って何なんだよ。金取る気か?」
「はい!最初は100円でいいですよ」
「えぇ…」
彼女はにこりと微笑んだ。
いや待てよ、金を払うことを条件に出ていくように言えば――
「いいだろう!その代わり、100円やったらすぐに帰れよ」
僕はそこらへんにあった百円玉を拾い上げた。
「ほら」
すると彼女は口を開きはじめた。
何のつもりだ?
「いええうああい」
入れてくださいと言っているのか?
口を開けながら喋っている。
バカなのか、こいつは。
「なに言ってるんだ?100円なんか食ったら死ぬぞ、お前」
「いいああいええうああい」
まだ言ってるぞ。
お金を食べちゃダメなんて幼稚園児でもわかることをーー
「ここでお前が死んだら僕が捕まるんだよ!そしたらロジカルファンタジーもできなくなるだろうが!」
「あいおううえう!ああいおいんいえうああい!」
「嫌だね!こんなことで人生を台無しにしたくないんだよ!」
すると口を閉じはじめた。ようやく諦めたか。
「ええーい!こうなれば――」
その瞬間、僕の手に生暖かい感触が伝わった。
「あぁーーーーー!!リアル女が僕の手を!!」
彼女は俺の手を咥え、それと同時に百円玉も吸い込まれていった。
しばらくすると彼女は、僕の手から離れ、奇妙な行動を取った。
「んっ…んんっ…んんんんんっ!」
彼女はもじもじしながら、股の間に手を入れた。
やめろやめろ!
思春期の男子には刺激が強すぎる!
「んっんんんっ…」
すると今度は、百円玉を口の中で舐めまわした。
保て僕の理性…保て僕の理性…
「あっ…もう、らっめぇーーーーー!!」
ゴクリッ――彼女の喉からそう音が聞こえた。
まさかこいつ!
「おい、今すぐ吐き出せ!じゃないと僕が捕まるだろうが!」
「うっ…」
すると彼女は倒れてしまった。
まずいまずいまずいまずい!
「お、おい、大丈夫か!?ど、ど、どうすればいいんだー!きゅ、救急車!?いや、タカシランドへ踏み込むことは何人たりとも許されない!」
と思ったけど、こいつの侵入を許してしまった。
不覚――
「いやいや、そんなことを考えている場合ではない!このことが警察にバレれば僕の人生は終わりだーーー――」
「ていうのは嘘で」
「僕の心配は!?」
彼女は真顔でスッと立ち上がった。
心臓が止まるかと思うとはこのことだ。
「どうやら隆様は、今の百円玉で投資に成功したようですので、その分の利益を受け取ってください」
「そんなことより僕は君の胃袋の方が気になるよ」
すると彼女はポケットから何かを取り出し、それを握りしめた。
「それでは隆様、手を差し出してください!」
彼女はニコニコしながら言った。
何が入ってるかもわからないのに、安易に出すわけないだろ。
「何で出さないといけないんだよ」
「いーいーかーらーだーしーてーくーだーさーいーーーー!!」
バタバタ足を暴れさせる。
ついには騒ぎ始めたよ、この子。母さんが来たらどうする。
「わかった!わかったから落ち着いてくれ!」
僕は手を差し出した。
正直、この茶番はいつまで続くのやらと思う自分もいた。
「これでいいか」
「はい!」
すると、彼女は僕の手を握りしめ、何かを渡した。
四角くて小さいもの?
僕は恐る恐る自分の手を見る。
「ガ、ガム?」
そこには、よく駄菓子屋で見かけるような10円ガムのようなあった。
「いやー、10円ガムとはいえ、女の子に握ってもらって渡した10円ガムは100円ガムと言ってもいいくらい価値があると思うので、今回の利益は10円ガムです!」
「ほんとふざけてるね、君!?」