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投資界の鬼になるんだが?

 貯金箱は全てあさり、銀行からも全て下ろした。

 今あるだけの金額を全てもどきに投資する。

 僕はそう決心した。


「あの……投資に興味を持ってくれたのは嬉しいのですが、そこまでしなくても……」


「これもシャルロットたんのためだ。僕は投資界の鬼になる」


「は、はぁ……」


 集めた金額はおよそ、50万円。

 余っていたお年玉や、ラジカルファンタジーの課金のために貯めていたへそくりを全て持ってきただけある。


 シャルロットたん、見てるでござるか?

 今の拙者はカッコよく写ってるでござるか?

 本当はこのお金は全てシャルロットたんがロジカルファンタジーにいるときに使おうと思っていた。

 投資に使うことを許してくれ。

 これも君を救うためだ。

 これは拙者にしかできないことでござる……


「これより、東條隆は投資を始める!さあ、もどき!口を開けろ!」


 僕は立ち上がり、もどきを指差して言った。

 手には大量の小銭やお札を持っている。


「はい……!では、入れちゃってください……!」


 そっと手を100円玉と共にもどきの口の中に入れ、お金をそっと落とした。

 手を抜こうとしたときに、もどきの唇に触れてしまい、少しドキドキしてしま――


 だめだだめだ!!

 考えるな!!

 拙者はシャルロットたん一筋なんだ!!

 こんなところでへこたれていたら、将来シャルロットたんと幸せな家庭なんて気づけないぞ!!


「あっ……♡あんっ……♡んんんっ……♡」


 そうだこいつ、口にお金を入れるたびに喘ぐ癖があるんだった。

 ()ってくれよ、我がホーリーランス!



 10分後


「はぁ……♡はぁ……♡そ、そこは敏感なんです……♡」


 20分後


「一万円札ですか……!?こ、こんなにも大きいものは入りませ――んんんっ……♡」


 30分後


「ら、らめですっ……♡そんなに一気にいれた――イ、イっちゃいます……♡ イっちゃいます……♡」


 やばいやばいやばいやばい!!

 我がホーリーランスがもう限界だと訴えている!!

 約20秒に1回口の中に入れるとして、それを30分、約90回も喘ぎを聞いたことになる。


「も、もどき……? 少し、休憩しよう?」


「は、はぃ……♡」


 理性がちぎれるまえに、手は打っておくことにした。

 もどきの顔は熱でもあるのではないかと思うぐらいに赤くなっており、服も乱れていた。

 なぜ乱れているのかはご想像にお任せしよう。


 それから数分休憩したあと、再び作業に戻ることにした。

 そして、作業開始から1時間後のことだった。


「はぁ……♡はぁ……♡はぁ……♡はぁ……♡利益を得たことを確認できました……♡」


 きたか。

 だが、今回の利益は遅くないか?

 いつもはもっと低い単価を投資しただけで利益が出るはずなのに、今回は遅い。

 なにか、向こう側にトラブルでも発生したのか?


「それで……今回の利益は……?」


 若干目を逸らしつつ、話しかける。

 なんか、気まずいな。


「それが、私にもわからないんです……♡何も、ポケットにも入っていませんし……♡」


 今回の利益は物ではない?

 そして、この金額。

 50万円も投資をしたんだ。

 それなりの利益があってもいいはず……


「時間経過で利益が現れるのかもしれない。しばらく待ってみるのも――って、もどき?」


 もどきは突然立ち上がり、こちらに近づいてくる。

 なんだ?

 様子がおかしい。


「隆しゃん……♡もう私、我慢できましぇん……!?♡」


「うわぁ……!?」


 なぜか押し倒され、馬乗りになる。

 こいつ、投資のしすぎでおかしくなったのか?

 だいぶ、体が火照っている。

 しかし、この状況……どこかで見覚えが――


「っておい!こらっ!何してる!?」


 僕の着ているシャツを無理やり脱がそうとするもどき。

 あまり他のやつにはお腹の傷を見られたくない。

 僕は必死でもどきの手を押さえつけた。


「い〜じゃないですか〜♡あ、隆さん……♡そういうことなら言ってくださいよ〜♡」


 そういうと、もどきは僕の手を離し、今度は服を脱ぎ始める。

 着ていたコスプレ服を脱ぎ捨て、豊かな胸が姿を表す。

 ブラこそつけてはいるものの、こいつ結構……

 いやいやいや……!!

 この状況をなんとかせねば……!!


「えへへ〜♡じゃあ次は、隆さんの番ですよ〜……♡」


「バカ!!やめろ!!」


 もどきは再び、僕の服に手をかけようとする。

 それを僕は再び押さえつける。


「だめですよ〜、隆さん……抵抗しちゃ……♡えいっ……♡」


「いやあああああああ!!」


 もどきは僕の手を強く握り、両手の骨を一瞬にして砕いた。

 バキバキとなった手は動かなくなり、無力化される。


 これではしばらくの間、ロジカルファンタジーができなくなるではないか!!


 そして、もどきは僕のシャツに手をかけ、思いっきりめくる。

 ああ、シャルロットたん、ごめんよ。

 僕はこれから君の化けの皮を被った女に襲われてしまう。

 僕はシャルロットたんの旦那失格だ……


 いや……もう……もどきちゃんのエッチ……♡


「って、あれ?傷が……ない……」


 自分のお腹を見ると、そこには火傷の跡が傷一つなくなっていた。

 まさか、これが50万円の投資分の利益。

 これが投資の力……

 この力があれば、本当にシャルロットたんや天空城は生き返ったり、元に戻ったりするのではないか。

 そんな希望を胸に、僕はふと笑顔になった。


「って……あれ……?なんで私服を着て――って隆さんがなんで下にいるんですか!?まさか、私を襲おうと……!?隆さんのエッチ!!」


「ぶはっ……!!」


 もどきに思いっきりビンタをされた。

 こいつ、見た目のわりに力が強すぎて歯がぐらついてきたんだが。

 それに、なんで僕が押そうということになっているんだ。

 まあ、戻ってよかった。

 とりあえず今は、そこに安心しておこう。


 その後、もどきは何度も謝罪をした。

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