話が進まないんだが?
「…」
「そもそも投資とは、対象にお金を投じることで将来それ以上の利益になって返ってくるのを期待する行為を投資と言います」
突然起きたウイルス、まばゆい光、そして、なぜか現れた美少女。
あらゆることが頭の中でシェイクされ、僕を混乱へと導く。
いや、そんなことはどうでもいい。
僕は今、ものすごく腹を立てている。
なぜなら――
「とはいえ、自己投資と呼ばれる投資も、必ずしも直接お金を使うといったものも投資というんでーー」
「シャルロットたんの名前を汚すなーーーーー!!」
「はいーーーーーッ!?」
そう、僕の嫁シャルロットの名前を使われたことだ。
旦那である僕がいうのもあれだが、この地球上にシャルロットという名前を持つものはいるかもしれないが、珍しい名前だ。
そう、そもそもの話だ――
「認めたくはないが、髪型、声、スタイル、全てにおいてシャルロットたんと同じだ。あ、さてはお主、ロジカルファンタジーのランキング1位でもあり、シャルロットたんの生みの親でもある拙者に対しての憧れというやつだな!それで、拙者にお近づきになろうと、シャルロットたんのコスプレをしたと。とはいえ、お主はリアル女であるにもかかわらず、シャルロットたんのコスプレをした。これは、シャルロットたんに対しての侮辱と捉えるぞ」
思っていることを早口でこのリアル女にぶつけた。
この世間知らずめ。
最近の若者はコスプレコスプレとゲームやアニメをバカにしている。
なにが2.5次元だ!
コスプレイヤーとやらは3次元から逃げたいからコスプレなんぞをしているのだろう。
「あのー」
「なんでーなんて見苦しいことを聞くでないでござるよ。生みの親である拙者が侮辱と言ったら侮辱なんだ。だからお主は――」
「喋っていいですか?」
首をかしげるリアル女。
あまりにも純粋すぎるリアル女に僕はなにも言い返せずにいた。
「よっと!」
彼女はやっと机の上から降りてくれた。
ジャンプして降りるその姿は、妖精のようでひらひらの羽がそう感じさせた。
「では、私が一体誰なのか。まずはそこから説明した方が良さげですね」
「いや、ただのコスプレ不法侵入者だろ」
どうやったかは知らないが、僕の部屋に勝手に入ってきた。
あの厳重なタカシランドの警備からどうやった入った?窓も開けた形跡もない。
だとしたら一体ーー
「失礼な!私はロジカルファンタジーの世界からやってきたシャルロットです!あなたが作り出したシャルロットです!」
少女は何度もシャルロットシャルロットと口に出した。
「だから、シャルロットたんの名前を名乗るなと何度言えばわかる!それに、ゲームの世界から人が出てくるなんて聞いたことないぞ。僕が納得するような理由を100字以内で説明しろ」
どうだこの理論武装は。
さあ少女よ、反論してみるがいい!
「それ言い出すとキリがありませんので話進めますね〜」
「無視かよ!?」