表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/284

勝ち目がないんだが?

「どういうことだ!!なぜお前は立てる!?」


 天空城も状況が理解できていないみたいだ。


「砕かれた骨を炎で一時的に補ってんだよ…」


 炎で補う?

 聞いたことないぞ…


「さあ、今度はこっちの番だ!!うあああああぁ!!」


 男は構えを取り、叫び出すと、みるみるうちに炎が集まりだした。

 男の身体は熱を持っていた。

 周囲の床や壁は徐々に溶け始める。


「くっ…!!」


 天空城の足は震えていた。

 こいつは強い。

 だが、こいつも普通のリアル女だ。

 こいつにだって怖いものはある。



 そして、男は手を広げ、天空城に向けた。


 ――僕に攻撃してきたように。


「獄炎…」


 その瞬間、何かが僕の胸の中で(うず)いた。

 これはさっきのとは違う。


 ――明確な殺意のあるものだった。


「天空城さん!!避けて!!」


 もどきが必死に叫んだ。

 ――だが、もう遅かった。


 地面がグラグラと揺れ、足場が崩れ始めた。

 僕は足場が崩れただけだが、天空城の足場は溶け始めていた。


「なんだ!?何が起きて――きゃーーーーー!!」


 次の瞬間、あっという間に、天空城は地面から現れた炎の(うず)に飲み込まれた。


「はっはーーー!!そこで炎に飲み込まれて死ね!!」


 男は手を開かせながら、笑っていた。


 こいつだけは…


 こいつだけは…!!


「天空城さん!!」


「身体が…!!熱い…!!熱い…!!あああああ!!」


 天空城の姿は見えないが、叫んでいることだけはわかった。

 僕はもどきだけじゃない。


 僕を救ってくれたこいつも救わないと――


「うおおおおお!!」


 僕は男に向かって走りだした。

 男の周囲はかなり熱を帯びていた。

 だが、ここで止まるわけにはいかな――


 あれ…


 力が出な…


 僕はその場で倒れた。


「おいおい!能力者を二人も殺しちまった俺すげえな!こりゃ、帰ったら楽しみだぜ!!」


 おそらく、かなりの熱に耐えきれなくなり、熱中症みたいな症状が出たのだろう…


「あああああ!!」


 だが、あの炎の中で天空城はもっと苦しんでる…


 僕が…


 僕が助けないと…



 なんだ、今の光は!?

 意識がなくなりかける中、青い光のようなものが僕の横を横切った。


 そして、その青い光は男の方へ飛んでいった。


「がはっ…!!」


 青い光は男の胸を貫いた。

 男は胸を押さえて倒れ、男の口からは大量の血が出てきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ