助太刀に来たようだが?
「て、てめえ…!どうやって俺の炎を…!まさか、てめえも能力者か!?」
能力を持っている男に対抗するように、男の出した炎を消した天空城。
僕はさっきから何を見ているのだろうか。
「能力者?なんのことを言っているかは知らんが、合気道は7段を持っている。これ以上、学園の風紀を乱すようなら、私が容赦しないぞ!」
天空城は男を睨みつけて、構えをとった。
ていうか、7段って普通にすごいだろ…
「ていうか、なんでお前がここにいるんだよ!」
僕は天空城に尋ねた。
確か、僕が階段を通り過ぎた時に、避難指示を出していたはず…
「お前が火元に向かうところを見て不自然に思い、避難指示を済ませてからお前の後を追っただけだ」
「だとしても、お前が勝てるような相手じゃないぞ!」
相手は能力者。
天空城は武術は強いとはいえ、能力者に勝てるはずがない。
「私は風紀委員として、君たち二人を守る義務がある。ついでに、風紀を乱したものを取り締まる役目もな!」
天空城は、僕ともどきを見た後に、再び、男を睨みつけた。
「天空城さん…」
僕はどうすることもできず、天空城の後ろ姿をただ見つめていた。
「だったらまず、てめえから殺してやるよ!」
男は天空城に向かって走り出した。
天空城はなぜか目を瞑りだした。
まずい、このままだと天空城が――
「危ないぞ!天空城!!」
そして、天空城の顔めがけて男は殴りかかった。
だが、そこに天空城の姿はなかった。
いや、消えたように見えただけだった――
「遅い!!」
天空城はいつのまにか男の背後を取っていた。
そして、男の横腹をめがけて蹴りを入れた。
それはまるで、風が通りすぎていくような蹴りだった。
「ああああああああぁ!!」
男の骨が砕け散る音が聞こえた。
そして、その場で倒れ込んだ。
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
男の目は大きく開き、横腹を抑えていた。
息がかなり荒い。
相当ダメージが入ったのだろう。
「今ここで私に大人しく捕まり、東條たちに謝罪をするなら、全治2ヶ月で済ましてやろう」
天空城は男に取引を持ちかけた。
男を見るその目は、狂気の目をしていた。
僕はただ立ち尽くすことしかできなかった。
「はは…はははははっ!!」
男は沈黙を続けていたかと思えば、突然笑い出した。
その顔は、快楽に包まれた人間の顔だった。
「何がおかしい」
「俺は…俺は東條隆を殺すまで帰らねえぞ!!」
またこいつは殺すと言った。
僕を殺すことに意味はあるのだろうか。
「今のお前に何ができる。お前の身体の骨はすでに砕かれ、立ち上がることもできないんだぞ」
すると男は手を広げた。
そして、男の手に炎が宿る。
その炎を男は飲み込んだ。
「おい!何をして――」
「うああああああ!!熱い!!熱い!!身体が!!あああああぁ!!」
男は身体を抑え、叫びだした。
炎を飲み込むなんて、自殺行為でしかない。
こいつは何がしたいのか理解できなかった。
しばらく叫んでいたかと思えば、突然黙り始めた。
――だが、次の瞬間、男はゆっくりと立ち上がった。
「俺をあまり甘く見るなよ…」
男は不気味な笑みを浮かべながら、天空城を睨みつけた。
何が起きたんだ…




