根に持ってるんだが?
「隆。昨日の続き」
「拙者の…拙者のパソコンが…」
まさか、一つのコーラによって僕の人生が狂うとは思わなかった…
僕が唯一飲める飲み物…
それが、コーラ…
「おい引きこもり」
「僕の…25万のプロトタイプPCが…」
僕はロジカルファンタジーに見せる顔すらないってわけか…
シャルロットたんを失った僕は、用済みということかよ…
「おら!!話を聞けやーーー!!」
「痛い痛い痛い痛い!!」
母さんは僕の頬を何度も叩き始めた。
「お母様!落ち着いてください!今、隆さんは精神的に死んでいますので!」
もどきが援護射撃をする。
「そうだ母さん!今の僕は死んでいるん――痛ッ!!」
トドメの一撃を食らって、僕はKO負けした。
「あんたのせいで学校からどれだけ言われたか分かってるの!?」
言われた?
あぁ、そういえば僕は昨日覗きをして下着の匂いを嗅いだんだったな…
だが、それも仕方のないこと!
「悪いが、僕は副業を達成しようとしたまで――痛い痛い痛い痛い!!」
「隆さん!!」
その瞬間、手首にちぎれそうな痛みが走る。
バングルは赤く光っていた。
またこの痛みか!!
確か、前にも美沙と話してた時にこの痛みが…
「あんたの痛みより私の心の痛みの方がよっぽど痛いわ!!お母さんは息子を覗き魔に育てた覚えはありません!!」
お母さん?
息子?
冗談じゃない。
「ふっ!!拙者の母はぷらねっと神そのもの!誰が貴様なんぞを母親とみなすか!そもそもぷらねっと神とはロジカルファンタジーの創造主であり――」
こいつらに教えてやらんとな!
ぷらねっと神の偉大さを!!
「また隆のオタク話が始まった…」
「ま、まあ、隆さんたちはあの後校長室に呼ばれたみたいなので」
「とはいえ、この様子じゃ絶対反省してないでしょ。現実の女の子に興味を持ってくれたことは良かったけど、方向性が間違ってるのよ」
「そして、遡ること約5年前!ぷらねっと社が誕生し、ぷらねっと神も誕生した!人々はぷらねっと神を崇み、尊敬し――」
やはり、ぷらねっと神の作り出した歴史を考えるだけで、毎度毎度胸を打たれますな〜!
拙者はどこまでもついていくでござるよ〜!
「そ、そうですね…」
「もうこうなると隆止められないから、先行ってていいわよ」
「いえ!そういうわけにもいかないので引っ張り出してでも連れてきます!」
「じゃあ、お願いね!」
「隆…さん…!行きます…よ…!」
「だが、僕の見解だが、ぷらねっと神はロジカルファンタジーをやっているプレイヤーだけではなく、ロジカルファンタジーをやっていない非プレイヤーまでも見守っていると僕は思――」
「あ、これ副業の利益分です」
もどきの手には2000円が握り締められていた。
これがあれば――
「貸せ」
「はい!では投資を…」
もどきは僕に2千円を渡して、口を開け始めた。
「何を言っている?これは僕が稼いだお金だ。お前も言っていただろう?そのお金を私に投資してもよし。自分のお金に使ってもよしとな」
僕の言っていることは本当だ。
こいつが僕の部屋に来た時に言っていたからな。
「そ、それは…」
「あれ〜?パソコンを壊したのは誰だっけな〜?」
僕はもどきを見下すように見る。
「目が怖いです目が。わかりました。勝手にしてください」
「ムヒヒッ!これで拙者のパソコンは元に戻る…ふはははは…あーっはははははっ!!」
待ってろよ、パソコン!
今僕がお前を救ってやるからな!!




