百合展開なんだが?
列に並び、保健室というところに向かいました。
ここの世界の人たちは、ここで健康診断というものをするのですね。
その後は何事もなく、無事に保健室に着きました。
ですが、何事もないのがダメなのです。
何も気配は感じませんでした。
隆さん…
本当に覗きに来てくれるのでしょうか。
いいえ、焦りは禁物です。
きっと来てくれるはずです。
「じゃあ、C組の子は上の制服を脱いでね。あ、東條さんもね」
担当の先生が指示を出しました。
「はい」
普通に返事をして、上の制服を脱ぎ始めました。
確か私は、A組でしたが、女子の人数が多いということで、C組の女子の皆さんと一緒にやるということになっていましたね。
「先生は職員室に用事があるから静かに待っててね」
そう言うと、先生は保健室を出て行きました。
「えっと、シャルロットちゃんだったよね?」
一人の女子生徒が話しかけてきました。
「え、あ、はい」
どうして名前を知っているのでしょうか。
転校してきてすでに5日。
まさか、こんなに早く私の情報が出回るとは…
「君、スタイルいいね〜。胸も大きいし」
胸ですか。
あまり意識したことはありませんでしたが、私は大きい方なのでしょうか。
「ちょっと触らせてよ!」
「あっ…!」
女子生徒は背後に周り、下着の上から私の胸を掴みました。
「お〜!触り心地は抜群ですな〜!」
「あっ…!らめぇ…!らめなんですってば…!」
胸を鷲掴みされています…!
こ、こんなところで…!
「シャルロットちゃん結構可愛い声出すね〜。ほれほれ〜」
「あっ…!わ、私、そこは敏感なんです…!」
さらにすごいテクニックで胸を揉みしだく。
あんなところやこんなところまで…!
でも、結構気持ちいいかも…!
「じゃあ、その敏感なところを責めちゃうぞ〜!」
「ら、らっめぇ〜!!」
このままじゃ私…!
私…!
「おい、東條が困っているだろう。その辺にしといてやれ」
「ふぇ…?」
目の前には上半身下着姿の女性がいました。
いや、困ってはいな…
あ、いえ、困ってました!困ってました!
「え〜。空ちゃん、いいじゃーん」
「空ちゃん?」
空ちゃん…
どこかで聞き覚えが…
「ん?どうした、東條?」
私がぼーっとしていると、彼女が気にかけてくれました。
この人、優しいんですね。
「あ、いえ!なんでもな――」
「えーい!!」
――その瞬間、さっきの女子生徒に押されました。
「うわぁ!!」
私は倒れましたが、何か柔らかいものがクッションとなり、助かりました。
でも、なんだかいい香りが…
「東條、大丈夫か?」
目を開けると、そこには二つのお山がありました。
誰か、声が聞こえます…
これは夢なのでしょうか?
「ふんふん…ラベンダーの香りですね…」
その二つのお山には、たくさんのラベンダーの花が咲き乱れていました。
私はそのお山まで駆け抜けていき、飛び込みました。
「おい!東條!?」
そのお山の間にに顔を埋め、顔を擦り付けて匂いを堪能することにしました。
また何か声がします。
ですが、匂いという欲に勝てる自信がありません。
「すりすり…すりすり…あぁ…いい香りです〜」
鼻の奥まで通るようないい香り。
もちもちとした柔らかいお山。
世界にはこんな場所もあったのですね。
「ふっ!!」
「え!?」
何かものすごい力で空に吸い寄せられてしまいます。
もっとこの香りを楽しみたかったのに…!
「あれ?私…」
気がつくと私は、さっきの女性に寝転がったまま抱き上げられました。
「と、東條…やりすぎだ…他の人が見ている…」
目の前には顔を赤らめ、照れていた彼女がいました。
「はっ!す、すみません!!」
私はとっさに謝った。
「い、いいんだ…!」
「うおお!!百合百合したのが見れて、私の目も彩りましたな〜!!」
後ろを振り向くと、私を突き飛ばした女子生徒が鼻血を垂らしていました。
「おい、元はと言えばお前のせいだろう!」
彼女は立ち上がり、女子生徒に怒りました。
私もそっと立ち上がります。
「でも、シャルロットちゃんも喜んでたみたいだし、空ちゃんも受け身取れてたし、見ていたみんな喜んでたからよしとします!」
女子生徒はよくわからない理論で彼女を納得させようとしました。
周りを見ると、顔を赤らめモジモジしていた生徒がたくさんいました。
「だからって、危ないだろ!」
彼女はさらに怒り出す。
私はただ、呆然とその光景を見ていました。
「はーい」
女子生徒は適当な返事をして、その場は収まりました。
それにしても、私は夢を見ていたのでしょうか?
柔らかい二つのお山に、ラベンダーの香り…
あれは一体…




