今すべきことを考えるんだが?
嘘だろ…
しばらくその場を動くことが出来ず、スマホの画面を注視した。
1週間以内に天空城空の下着の匂いを嗅ぐ…
1週間以内に天空城空の下着の匂いを嗅ぐ…
1週間以内に天空城空の下着の匂いを嗅ぐ…
1週間以内に天空城空の下着の匂いを嗅ぐ…
何度も頭の中にその言葉がリピートされる。
「ん?どうした?」
リアル女がスマホを覗こうとした。
「な、何でもねえよ!」
僕は慌ててスマホを暗転させる。
天空城空…
それは、今僕の目の前にいる風紀委員のことだ。
こいつの下着の匂いを嗅ぐ。
これが、今回の副業…
「おい、何をジロジロ見ている?」
「いや…」
気がつくと僕は天空城の目を見ていた。
気まずい…
これから下着の匂いをを嗅ぐやつといるのはすごく気まずい…
だが、副業をしなければ僕は死ぬ。
となればここは…
「撤収!!」
僕は天空城に背を向け、全速力で走り出した。
とりあえず、猶予は1週間ある。
ここで一旦逃げて体制を整えるのが最善の選択だろう。
「って、こら!廊下を走るなと何度言えばわかる!」
この女も風紀委員だ。
決まりを守ることは知っている。
だから、廊下は走らない。
つまり、拙者に追いつけない!!
ふははははっ…
あーはっはっはっはっ!!
そして時は過ぎ、タカシアイランドでは…
「とまあ、こんな感じの理由で、天空城空の下着の匂いを嗅がなければならないんだ」
副業のことをもどきに話した。
こいつなら副業達成のコツを何か知ってるかもしれないからな。
「つまり隆さんは、変態さんになってしまったということですね!」
もどきはなるほどという感じで手を叩いた。
「君、僕の話聞いてた!?」
「冗談ですってば。そうですか、隆さんも大変ですね」
いや、お前のせいだろ。
って、こんなことばかり言っていても仕方ないよな。
「何かいい方法はないのか?簡単に下着が手に入るような…」
「落ち着いてください。こういうのは、過程が大事です。過程あっての結果ですから」
もどきは顎に手を当てて考え始めた。
「そうですね、まずは情報収集をしてみるのはどうでしょうか?」
「情報収集?」
そんなもの、どうやって――
「このことに関する情報なら何でもいいと思います。例えば、天空城さんの人柄を知るとか」
人柄を知る…
そんなことを聞けるやつなんて僕には…
いや待てよ、一人いる。
あいつなら何か知ってるかもしれない。




