断捨離するんだが?
「隆さん、これは?」
「取っておけ」
僕は今、部屋の片付けをしている。
部屋の片付けなんて小学生以来だ。
中学前半期までは――
「隆さん、これは?」
「それも取っておけ」
中学前半期までは親に部屋の片付けをしてもらっていたからな。
別に、片付けなくてもいいんだが。
僕はこのごちゃご――
「隆さん、これは?」
「あぁ、それも取っておけ」
僕はこのごちゃごちゃ具合が落ち着いているのにな。
まあ別に、これもシャルロットたんを救うためとあらば――
「隆さん、これは?」
「取っておいていいぞ」
「って、さっきから取っておいてとしか言ってないじゃないですか!」
片付けを手伝っているもどきになぜか怒られた。
僕の発言に嘘偽りはないはずだぞ。
「当たり前だ。僕の私物に捨てるものなんてない。全て宝物だ」
「それ、片付けられない人のセリフですよ。だいたい、こんな食べ終えたカップラーメンの容器とかフィギュアの箱とかいらないじゃないですか」
もどきはカップラーメンの容器とかフィギュアの箱を持って言った。
「その容器は僕が引きこもり生活を始めた1日目に夜食として食べたやつだ。それに、フィギュアの箱を捨てるなんてもってのほ――」
「あ、いりませんね。じゃあゴミ袋に――」
「あぁーーーーー!!やめろぉーーーーー!!」
止めようとしたが遅かった。
もどきはカップラーメンの容器とフィギュアの箱をゴミ袋の中に勢いよく入れた。
しかも、同じ場所に――
「そんなことばかり言っていたら、いとしのシャルロットたんは戻ってきませんよー」
もどきは煽るように僕に言った。
「くっ…」
僕はなにも言えなかった。
そんなことわかってる…
わかってるんだ…
「よーし!隆さんも吹っ切れたことだし、ここにある私物の9割を捨てちゃいますよー!」
「あ…」
気がつくと僕は涙を流しており、か細い声で何かを呟いていた。
「うんしょ、うんしょ!」
「あらセフレの子、隆のゴミの山を片付けてくれたの?ありがとね〜!」
「いえ、私はお手伝いしただけです。それとお母様、私はセフレの子じゃなくてですね…」
「それじゃあ、あなたは隆のなんなの?」
「うーん、なんて言えばいいのでしょうか…あ!そうだ!ここのお父様の――」