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戦闘開始なんだが?

 深夜十二時

 芳月学園校内


 真夜中に聞こえる足音。コンクリートに音を刻む一人の青年がいた。校門をくぐり、校舎内を目指す。そう、投資業界トップ5軌賀だ。


「たく、龕您ってばほんと人使い荒いんだから。最近僕、動きすぎじゃない。絶対給料分以上の働きしてるでしょ」


 軌賀は周りを見渡す。隅から隅まで見渡し、すべての神経を眼球に集中させる。


「おーい! 玄橆さんやー。出てこんかー。いるのはわかってんだぞー」


 軌賀はでかい声で学校中に響くように叫んだ。


「こんな真夜中にでかい声出すなよ。みんなが……起きちまうだろ……」


 校舎の玄関から出てきたのは、上条樹。又の名を玄橆。玄橆は軌賀を睨みつけながら軌賀との距離を縮める。

 その眼光は恐るべしほど尖っていた。


「お? 物わかりが良くて助かるよ。ということでインベストに来てくれないだろうか」


「そんなことだろうと思ったよ。概ね、龕您からの差し金か。だが、断る!」


 玄橆は白と青の銃を取り出し、軌賀に銃口を向けた。それとほぼ同時に軌賀も妙な形をした銃を取り出し、玄橆に向ける。お互いがお互いを警戒し、いつ打ち合いが始まってもおかしくなかった。


「そうくると思ったよ。それにしても、今回の隆くんの副業のおかげで無事に君にセンサーをつけることができて炙り出せたよ」


「お前ら、隆を殺す気だっただろ! 隆にはもう手を出すな!」


 お互い銃口を下ろそうとせず、微動だに動かなかった。


「言いがかりはやめてほしいな。元はと言えば、君が全部悪いんじゃん」


 すると、斬賀は少し下を向いた。その反動で髪が目にかかる。


「さあてと……ディメンション!」


 軌賀は空いているもう片方の手で指を鳴らし、一瞬にしてその場を腐らせていった。草木は枯れ、学校は廃校のようにり、学校内の建物全てが脆くなる。

 以前、隆を襲った時の亜空間とは違うものだった。


「ここで戦ったら被害が出るから場を変えたってことか」


「そういうことさ。ということで、予定変更。お前を処刑する!」


 バババババンッとものすごい速度で先に弾を発射したのは軌賀だった。彼の放つトランプ銃は、通称殺戮マシーン。一瞬にして人の肌を肉塊に変えるほどの切れ味を持ち、普通の人間が食らったらひとたまりもないほどの威力だ。


 すると、玄橆も反撃。玄橆の持つ銃からも無数の青色の光線が放たれる。それを少しの角度で変え、トランプの弾に向かって正確に打つ。

 お互いの弾がぶつかり合い、小さな爆風が巻き起こる。

 その間、お互いに距離を取る。


「やはり、このくらいじゃ君は殺さない……か」


 すると、斬賀は左手で指を再び鳴らす。すると、斬賀の横に肉や骨のない、全身炎のトラのようなものが現れた。


「バニシングタイガー! やっちゃえ!」


「オオオオオオ!!」


 バニシングタイガーはあらゆるものを一瞬で焼き尽くす生物。再生型の特性を持ち、体の破片が少しでも残れば、そこから再生する。


 バニシングタイガーは玄橆目掛けて突進をする。

 玄橆の頭にはこの技の対処法を考えていた。こいつは再生型。銃で撃ち抜いたところで再生されることはわかっていた。だったら、再生できなくなるまで消し炭にするまでだと。


「未来兵器、武装!」


 玄橆の体には機械のようなものが身体中のあちこちに装備され、目にはレーダーのようなものが装備されていた。


「ナノ多弾レーザー展開」


 すると、玄橆の後ろには大きな六つの穴が空いた機械が現れ、羽のように広がった。そして、数メートル上空へと飛ぶ。


「システムオールグリーン。対象距離、およそ五メートル。出力、七十……八十……九十……」


「オオオオオオ!!」


 バニシングタイガーも玄橆に向かって空中を歩き、追い続ける。対して玄橆の後ろにある大きな六つの穴が空いた機械からは、それぞれの穴が大きく光出す。


「百! バースト!!」


 バコオオオオン!!と、地面を貫くほどの青色の閃光を放ち、炎のトラは消滅した。


「おお! やるねえ! じゃあ、これはどうかな……マジックジョーカー!」


 すると、斬賀の影からカラフルの服や帽子を着て、黒色の姿に赤色の狂気に満ちた目をし、不気味な笑みを常時浮かべている巨大な生き物が現れた。手には「J」の形をした杖を持っている。


「マジックジョーカーか。これは厄介なのが出てきたな」


 すると、玄橆は大きな影に覆われる。その影はだんだんと大きくなり、ものすごい速度で何かが振りかざされた。そう、斬賀の化身、マジックジョーカーの持つ杖だ。


「なにっ……!?」


 ドオオオオンと杖が振りかざされた時には玄橆は潰されていた。玄橆の持つ武装は壊され、使えない状態になり、体はボロボロだった。


「いやあ〜。意外とあっけなかったね。いや、僕が強すぎたのか。ま、いっか!」


 斬賀は玄橆との距離を縮め、歩き出す。それに対して玄橆は立ち上がり、傷を抑えながら、校舎内へと逃げていった。


「逃げるのかい!? 情けないなあ! ジョーカー! 奴を殺せ! 殺せ殺せ殺せ!」


「ケッケッケッケ!」


 マジックジョーカーは手に持つ杖で玄橆目掛けて横から校舎に穴を開け始めた。それを走って玄橆は避け続けるが、体の疲労もあり、走り続けることは難しかった。


(レーダーはまだ使える。こうなったら、あれでやつの化身ごと仕留める!)


 レーダーのスイッチを入れ、パーセントゲージが再び表示された。だが、そのパーセントゲージは貯まるのが遅く、一パーセント貯まるのに、二秒から四秒かかった。

 だが、今はこの方法でしか奴を倒すことができない。そう玄橆は考えていた。


(あとこれは保険だ。僕がもしやられた時のための)


 玄橆はスマホを取り出し、走りながら何かを打ち込んだ。そして、玄橆は校舎内の階段を上り、ある場所へと向かった。

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