悲しみは何処へ行くのか
読んでも読まなくてもいい説明回です。
一晩寝れば悲しみはなくなるーもしくは少なくなる。
時が経つと悲しみはなくなるーもしくは少なくなる。
これを現代日本では悲しみに打ち勝つからだといわれる。
また、悲しみは乗り越えるべきものだと言われる。
これは正しくないー間違っている。
打ち勝つーつまり心の中にまだ残っているのではない。
消えるのだ。
心の中からすっきりと。
起こった出来事自体は消えない。
悲しみだけがー消える。
何故ー消えるのか。
吸収されるからだ。
誰に?
ーーー地球に
正しくは《機能》によって。
人類が同士討ちを起こさぬようー神が作りし《機能》ー
人類には作れないー毀すこともできないー物によって。
吸収された悲しみはどこへ行く?
処理される。
どのように?
別の世界に送られる。
ーーそのために生まれた世界の、そのために生まれた星に送られる。
その悲しみはー世界を渡り、形が変わる。
その星の人々の感情と混ざる。
それは 星の中心から吹き出す。
それは 洞窟ー滅んだ遺跡ー水中ーさまざまな場所から。
この負のエネルギーを浴びた生物は変異する。
よりその土地に合わせてー
より醜悪は見た目へー
より凶暴で強くー
浴びれば浴びるほど強くなる。
一番はじめに浴びた生物はその場所を管理する。
なぜなら最も強いから。
そして深い知性を得た生物は主となる。
その周囲を整備しー
自分が過ごしやすくする。
そうして整備された場所を人類は“ダンジョン”と呼ぶ。
負のエネルギーは高濃度になると凝縮し生物になる。
ダンジョンを守るための盾としてー
ダンジョンを守るための剣としてー
生まれてくる。
そしてそれは生物である以上死ぬ。
そしてそれは身体を遺す。
皮をー
肉をー
骨をー
殻をー
人々はそれを利用する。
生物を殺しー食料を得る。
いくらでも生まれてくる獲物。
人々は狩場の近くに集まる。
そして街が出来る。
ダンジョンを中心として。
素材を求めるものが集まり。
そのまとめ役が生まれ。
商人がモノを売り。
定住した商人の家族が住み。
人々が集まり。
そうして発達してきた。
悲しみの“処理”のために生まれてきた世界だとは知らず。
今日も生きていく。
悲しみの処理のため。
作者の勝手な妄想なので気にしないことをお勧めします。