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85 チートなトーチ~巧みな操作編~
先ほど確かにおっさんからトーチを受け取った。
だが、おっさんは消えた。右手にはトーチが残っている。
私は慌てなかった。慌てず、おっさんの説明通りにトーチを操ってみた。
おっさんの説明通りならば、念じるだけで炎が出て、自由自在に操れる。
私は言った。
「おっさんの服を燃やせ!」
するとどうだ。視界の端に向かってトーチの炎が伸びたではないか。
そして一瞬後に、おっさんの悲鳴が夕暮れ時の住宅街に木霊した。
「透明化さえ意に介さないだと!」
おっさんの売り込み通り、このトーチはチート武器だったらしい。
私は嬉しさのあまり、トーチを持つ手を強く握った。
「よっしゃ! これを使って、家中の悪魔どもを駆逐してやる!」
家中の悪魔ども「何だ? 急に寒気が…」




