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4S  作者: 半信半疑
72/101

71 3・2・1、ハイ!

 酒を飲みながらテレビを見ていると、楓が言った。


「ねぇ、催眠術かけていーい?」


 突然のことで面食らったが、話を聞くと、今日の活動で習ったものを試したいのだそうだ。


 楓は最近、手品倶楽部なるものに通い出した。近所の奥様が井戸端会議の際に立ち上げたらしい。

 一度見せてもらったが、かなり上手かった。隣の吉田さんが人体切断までこなした時は、度肝を抜かれた。


「じゃあ、今から催眠をかけまーす」


 何とも明るい調子で、楓は私の顔の前で五円玉を揺らす。

 紐に吊るされた五円玉がぶらぶらと揺れる。


 ぶらぶら、ぶらぶら。


「はーい、あなたはだんだん眠くなーる」


 視界がゆっくりと暗くなっていく…。


「3・2・1、ハイ! あなたは言うことを何でも聞いてしまう、私の奴隷でーす」


 ぱちりと目を開く。


「そうだな、俺はお前の、『愛の奴隷』だ」


 目の前のご主人様の顔がみるみる赤くなる。


「ひゃぁー」


 そのままバタバタと駆けていく楓。

 俺は自分の頬に手を当てる。酔ったせいか、とても熱かった。


「酒、飲みすぎたな…」


 ハイになった思考のまま、俺はまた、酒の入ったグラスを手に取った。

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