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4S  作者: 半信半疑
63/101

62 退屈は人を◯◯

 駐車場を監視するアルバイト中。


 私はとても眠かった。前日に徹夜をしていたからだ。

 しかし、たとえ徹夜していなかったとしても眠気を催していたに違いない。

 何の変化もないモニターを見つめ続ける、退屈なお仕事だから。


 目の前にはたくさんのモニター。何の変化もない駐車場内を映している。私はこの光景を監視しなければならない。

 けれども、私の視界は駐車場を映すことなく、酷く揺れていた。

 いや、揺れているのは頭だった。

 うつらうつらしてはビクッ、という絶賛ジャーキング状態だった。


 夢に片足突っ込んだまま、私は横に目をやった。

 そこには、同じくアルバイトの人が一人。彼も目を閉じている。

 いかん、これでは誰もモニターを見ていないじゃないか。


 私は、目を無理矢理開けてモニターを見た。同時に、目を閉じている彼に殺意が湧いた。


(私が起きているのに、何でこいつは寝てるんだ…?)


 私は怒りを抑えつつ、彼の肩を揺すった。


「ちょっと、起きてくださいよ」


 若干込める怒気。

 しかし、彼は起きなかった。私は彼の口元に耳を寄せた後、脈を測った。


「し、死んでる…!」


 眠気など何処かへ走り去っていた。

 私は何もしてない。

 そう、退屈が人を殺したのだ。


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