表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4S  作者: 半信半疑
40/101

39 誰もお前を愛さない、が

「なぁ、巻き寿司食べたくないか?」


 夫が何か言っている。

 無視し続けると拗ねるから、それを見極めて話してあげないといけない。

 まったく、いつまでも子どもなんだから。


「実は、すでに作る用意をしているんだ」


 何か反応を返すまでもなく、夫は積極的だった。


「米とのりとサーモンと醤油と巻きす、だ」


 一息に告げる夫。

 確かに、台所のテーブルの上には、夫の言ったものが乗っていた。


「まずは、巻きすの上にのりを敷き、その上にごはんだ。

 さらに、サーモンを乗せて巻くん…だ…」


 黙って見守っていた。が、惨状が生まれ、沈黙が増しただけだった。

 危惧していた通り、夫は上手く巻くことができずに、サーモンがはみだし、ご飯がぐちゃっとなった。


 私は、夫に言った。


「Nobody loves you」


 夫は、テーブルの下で丸くなった。

 いじけたらしい。

 仕方ない。たまには甘さを見せてやらないといけないようだ。


「でも、私はあなたのこと、好きよ」


 夫は泣きはらしながらも、抱きついてきた。

 まったく、いつまでも子どもなんだから。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ