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4S  作者: 半信半疑
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39 誰もお前を愛さない、が

「なぁ、巻き寿司食べたくないか?」


 夫が何か言っている。

 無視し続けると拗ねるから、それを見極めて話してあげないといけない。

 まったく、いつまでも子どもなんだから。


「実は、すでに作る用意をしているんだ」


 何か反応を返すまでもなく、夫は積極的だった。


「米とのりとサーモンと醤油と巻きす、だ」


 一息に告げる夫。

 確かに、台所のテーブルの上には、夫の言ったものが乗っていた。


「まずは、巻きすの上にのりを敷き、その上にごはんだ。

 さらに、サーモンを乗せて巻くん…だ…」


 黙って見守っていた。が、惨状が生まれ、沈黙が増しただけだった。

 危惧していた通り、夫は上手く巻くことができずに、サーモンがはみだし、ご飯がぐちゃっとなった。


 私は、夫に言った。


「Nobody loves you」


 夫は、テーブルの下で丸くなった。

 いじけたらしい。

 仕方ない。たまには甘さを見せてやらないといけないようだ。


「でも、私はあなたのこと、好きよ」


 夫は泣きはらしながらも、抱きついてきた。

 まったく、いつまでも子どもなんだから。


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