36 クルシミマス
「はぁ、クリスマスが今年も」
やってきてしまった。だけども俺は、現在進行形でクルシミマス。
アーメンハレルヤピーナッツバターだ、くそったれ。
職場はとっくの昔に閑散となっている。
残っているのは俺だけだ。
済まさなければならない仕事があったのだ。ありやがったのだ。
まったく…、何で今日に限ってあるかなー。
街はクリスマス色に染め上げられている。
まぁ、俺に彼女なんていないから、いつまで残っても(精神以外は)問題ない。
たとえ家に帰っても、待っているのは静かで冷たい空気だけだ。
「よし、これで終わりっと」
カタン、とエンターキーを押して作業終了。
「はぁ~疲れた」
俺は帰り支度をして、足早に会社を出た。
◇◆◇
家でのんびりしていると、玄関のチャイムが鳴った。
玄関を開けるとそこには、知らない女がいた。外人さんだ。パツキンのちゃんねーだ。
「メリークリスマース!」
「だ、だれだ?」
「ワタ―シはサンタサンです。寂しいあなたにプレゼントを届けに来ました」
あぁこれは夢なんだ。俺はそう思った。
「ではプレゼントデース。受け取ってください」
すると。
パツキンのちゃんねーは、俺の頬にキスをしてくれた。
俺はびっくりして…。
…
……
………
…………
……………
………………
…………………
目が覚めた。
やはり夢だった。
シット! あれが現実だったら!
憤慨していると玄関のチャイムが鳴った。
いったい誰だ。
俺は落ち着く為に深呼吸をして、足音を立てながら玄関に向かった。
メニー・クルシミマス!
2020/1/9
サブタイトルの変更、冒頭部分の修正及び変更。




