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25 イチゴとクリと・・・
イチゴは誇らしげでありました。
「私が一番輝いているのだわ」
イチゴは、ショートケーキの上にいるイチゴでした。自分が一番輝いているのだとそう思い込んでおりました。
そこにやってきたのが、モンブランの上にいるクリです。
「あら、私だって主役ですわよ」
まさに、白い山の頂き。一級品の輝きを放っています。
その姿を見れば、クリが自らを誇る気持ちにも納得がいくというものです。
「私の赤が目に入らないの? 赤色は、全てを魅了する情熱なのよ」
「おほほほ。私の落ち着いた品格を放つ茶色が見えませんの? これだから情熱派は…」
「何ですってぇ?」
「何ですの?」
二人が言い争っていると、また誰かがやって来ました。
「お待ちなさい。そうカリカリしていては、素晴らしい色合いが台無しよ?」
「「あ、あなたは!」」
※お好きなケーキを思い浮かべてください。




