序章 崩壊前夜
序章 【崩壊前夜】
【????年 ?月 ?日 ⁇】
……雨が、降っている。
赤く染め上げられた街。
五七ノ桐の家紋が染め抜かれた旗は無残に折られ、伝統ある武家屋敷は燃え上がっている。
普段の帝都を知る者にとっては余りにも異質、普段人声で溢れかえる大通りでさえ、火と雨の音以外は何も聞こえない。
そんな中、1人の少女が、ただ1人、火を免れた路地裏の石畳で倒れている。
齢は17くらいであろうか、普通ならおめかしをして笑って日々を過ごしていたであろう少女は、ズタボロの軍服に身を包み、刀身から無残に折れた幕府軍からの支給品である一六式炎刀を握りしめ、雨に身を任せている。
「つまんない、人生だったなぁ…」
この世に生を受けて、彼女が物心ついた時には、日ノ本は資本主義陣営の、「獣」との戦争の最前線となっていた。
親に勧められるまま、幕府が開いた陸軍士官学校に入学して、学問と「獣」との戦い方を学んだ。戦局の悪化に伴い、幕府軍陸軍指揮下の部隊に配属され、ひたすら国の為に、幕府の為に「獣」と戦い続けてきた。ささやかだが友達もいて、誰にも打ち明けたことはないが、思い人だっていた。
なのに、それなのに。
「貴族や大名連中は、本当に私たちの弟や妹達を連れて、逃げて、くれたのかな…」
わかっている。戦争はそんなに甘くはない。上官が言った言葉は建前だろう。だが、弟や妹達を逃がすための時間を作るために、お前達は死ね、といわれて断れる訳がないではないか。
自分達は捨て駒。帝都が陥落すれば、幕府軍は東へ後退して戦いつづけるだけ。私たちのことなんか当たり前の様に忘れて。
「お父さん、お母さん、お兄ちゃん…
私、ダメだった。何も守れなかった。
誰も救えなかった。
何も返せてない、でも、私にはもう未来がない…」
その瞬間、くぐもった音が彼女の耳にはいる。
知る者にとって、それは破滅の足音。逃れられない、絶対の死。
全てを悟った少女は、顔を歪めながら折れた刀から手を離し、自決用の拳銃を懐から取り出す。
「死にたくない、死にたくない、死にたくないよ…‼︎」
悲痛な言葉とは裏腹に、体だけは勝手に動いていく。
獣ニ食ワレル前ニ、自決セヨ。
冷たく刻み込まれた命令が、心を体から切り離して、行動させていく。
「ごめんね、みんな…私、ここまでだから…先に、行くね…?」
安全装置を外す。そしてこめかみに拳銃を当てて、
引き金を、引いた。
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【2016年 8月2日 11時56分 日ノ本 幕府軍陸軍管轄士官学校江戸支部】
…せっかくの夏季休暇の間に何故か開かれる必修夏期講習の科目の中で、歴科ほどつまらない授業はないと俺は思う。
小さい時から国を挙げて、あらゆるメディアを通じ伝えてきた「歴史」を、わざわざまとめ直すより、「獣」との戦いで必須の「剣」の鍛錬をしたほうがよっぽど有意義だと思う、なんたって士官学校の生徒なんだし。
ゴリラにしか見えない歴科の教師が唾を飛ばしながら感情的に喚いている。きたねぇ。
「……知っての通り、我が日本帝国は戦争中である‼︎
我が日本帝国は先の大戦での連合国との講和後、アメリカ連邦共和国率いる資本主義陣営と急速に接近、前代将軍、豊臣勝将様の富国政策により、急速な発展を遂げた‼︎
だが知っての通り、資本主義陣営の核兵器に対抗し、社会主義陣営のクソ共は生物兵器に手を出した、そして作られたのが……
オイ、棗ェ‼︎聞いとるのかァ‼︎」
しぶしぶ顔を上げる。
周りを見渡すと、周りにはクスクス笑うクラスメイト達。
いつもの光景だ。
巨大なゴリラ人間が顔を真っ赤にして怒鳴り、周りのクラスメイトは笑みを浮かべ、そして隣に座る鈴は、俺を見てくすりと笑みを浮かべる。 実に平和だ。いや平和なのか。
「棗ェ、貴様、それでも武人か⁉︎授業はしっかり聞けェ‼︎」
とりあえず頭をさげる。
「すみません…」
フン、と鼻を鳴らし、ゴリラ人間は話を再開する。
「授業はきちんと聞かなきゃだめだよ?謙也クン」
隣の席の鈴が話しかけてくる。わざわざ話かけなくてもいいのにこの野郎。
「へいへい、わかってますよ、鈴サマ」
鈴がクスリと笑い、やりとりに気づいたゴリラがまた睨んできたので、目の前の歴科の教科書を読むふりをする。
日ノ本の歴史の概略がそこには書いてある。
(これを読ませとくだけでいいじゃんよ…。)
そう心の中で呟きながら、何度読んだかわからない文を読んでいく。
大阪夏の陣で徳川方が負け、豊臣幕府が誕生し、首都は京都となった。
その後は豊臣幕府による積極的な海外外交のおかげで、英国での産業革命開始後も列強に負けないスピードで産業革命に成功、日ノ本は列強の一員となる。
ファシズムと民主主義陣営に分かれた列強による2度目の大戦の最中、アメリカ連邦共和国との戦争途中で講和したことで日ノ本はアメリカと急速接近、1946年のドイツ降伏には、日ノ本のドイツに対するパイプラインをアメリカがうまく利用したことが要因の一部とされている。
その後、ECA…ユーラシア大陸連邦率いる社会主義陣営と、アメリカ連邦共和国率いる資本主義陣営に世界は二分され、所謂冷戦が開始される。
イタリアに投下された原子爆弾の技術を改良し、社会主義陣営に対する切り札にしようとしたアメリカ連邦共和国に対し、ECA率いる社会主義陣営は核兵器の開発に難航、核を使わずに核に対抗する兵器を模索し、
1968年に彼らは最悪の兵器を完成させてしまった。
遺伝子改変による肉体強化を用い、核爆発や超高濃度の汚染物質にも耐えられる生物兵器、「獣」を作成したのだ。
結果は最悪だった。 「獣」には、銃や爆弾などの飛び道具が一切通用せず、その「獣」のコントロールに失敗したECAは「獣」を拡散させてしまった。
「獣」は人や動物を喰らい、等比級数的に増加し、また人や動物を喰らう。
銃も核も効かない相手に、各国はなすすべもなく陥落していった。
そんな中、国連主導の研究で、鋭利な刃物で切断する近接戦闘が「獣」には有効だと示され、各国は対「獣」用の近接戦闘武器の開発に追われた。
日ノ本は武家国家、本来刀文化が根付いていたため、技術のノウハウをフル活用し、1976年に世界初の対「獣」用の刀である、七六式炎刀 「煉天」を開発、世界に輸出を開始、人類は「獣」に対する対抗手段をようやく掴むことになる、この時点で、人類は4割の人口を喪っていた。
1988年に満を持して決行された、国連軍、NATO、ワルシャワ条約機構軍、そして日本帝国幕府軍の4軍合同作戦、「サジタリウス」により、一時はヨーロッパではドイツまで、極東では南京まで戦火になるほど悪化していた戦局を、東ヨーロッパから旧チベット自治区までに押し上げることに成功。
それから約30年。戦局は平行線をたどり、それでも人類は、決定打を見出せずに消耗しきっている。
日本でも、肥前以南は完全に「獣」により陥落し、重要な貿易港である長崎からの機能移転と、「獣」に対抗する刀を作る鍛冶場の移転が図られている。
概略を読みおえて、溜息をつく。
「あいかわらず、ひどい歴史だよなぁ…」
そんな「獣」と戦う武士を養成する機関に所属していると考えると、気が滅入りそうになる。
「……という訳だ。この話は、夏季休暇明けの試験に出すから、きちんと復習しておけよ‼︎
では、今日の授業は終わり、さっさと帰れ‼︎」
ゴリラがそそくさと教室から出て行く。
やる気はあるのだろうか、まぁ俺が口を出せる立場ではないけど。
「謙也」
ちりん、と音を立て鈴が俺の席の横に立つ。
「なんだ」
「今日は外苑のだんごやに行く約束でしょ、早く行こうよ」
頬を膨らませて鈴は話しかけてくる。お前のほっぺたのほうが団子みたいだ、という言葉を飲み込み、笑いかける。
「わーかったから待ってろ、すぐに準備する」
「うん」
鞄に教科書を叩き込み、壁に立てかけてあった九八式刀のセットを腰に装着。
「よし、行くぞ、団子屋に‼︎」
「おー‼︎」
そうやって、俺はいつものように鈴と一緒に学校から飛び出した。
変わらない、日々。
これからも、続いていくだろう、時間。
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【2016年 8月2日 12時31分 江戸 市中】
「かー、今日もあっついなぁ…‼︎」
鈴と真夏の江戸を歩きながら、思わずつぶやく。
「こんなに高層ビルが立ち並んでるのになんで太陽の光とか遮ってくれないのかね…
江戸の開発に力を入れるのはいいけど、もっと幕府は緑化政策をとるべきだよな…」
ちりん、と音を立てて鈴が笑う。
「しょうがないよ、アメリカの核ミサイル基地が襲撃されて大爆発したから、全世界の気温が下がるだろうっていう見解が広まってた時期の産物だよアレ」
「……予測ほど怖い物はない」
江戸は、日ノ本の首都ではないものの、日ノ本でも随一の経済都市として、幕府による積極的な開発が行われている。
高層ビルが乱立し、火災防止のため木と紙の家は、大名屋敷以外はほぼ撤去された。 そしてその時々の幕府の判断により、建物が作られたり取り壊されたりするのがしょっちゅうだ。
古くから存在する長屋の土地を買い占め、人々を「横」ではなく「縦」に集めることで、余った土地を、経済施設、工場、発電所、そしてなにより「固定砲台」に幕府は転用しているのだ。
対「獣」戦において、砲撃では致命的なダメージを与える事は不可能だ。しかし、足止めには利用する事ができる。
よって、航空爆撃の不可能な市街地防衛戦において、「固定砲台」による飽和砲撃で足止めをする間に武士が「刀」を用いて殲滅…という戦法が最も一般的であり、国連の推奨する最も被害の少ない防衛方法だ。
第一次世界大戦型の陣地防衛型の戦略。
しかしそれは、防衛には向いていても、戦闘の長期化を招き、領土奪還には向いていない。
おまけに、日ノ本の首都である京都では、幕府とは別の指導形態であった(今は殆ど力がないが)「朝廷」の圧力により、固定砲台の建造は進んでいない。
現在時点で、京都の防衛は、関西絶対防衛ラインである姫路城に全てがかかっている。
よって、江戸は、京都が仮に陥落した場合の(口が裂けても公にはいえないが)日ノ本の最後の砦であり、かつ最強の軍事都市としても機能している。
駐日アメリカ連邦共和国軍総司令部、および国連軍総司令部も江戸に存在し、また一部の旧東アジア諸国は、江戸に亡命政権を樹立している。
とまぁ、物々しそうな街のように思えるかもしれないが、基本江戸の町人達は明るい。
火事と喧嘩は江戸の華とはよくいったもので(今火事が起きれば大惨事ではあるが)、戦時下であるにもかかわらず、笑いに絶えず、喧嘩もよく見かける。しかも笑っている。よくわからないのが江戸町人なのだ。
そして、俺と鈴が行こうとしている外苑の団子屋は、幕府による地上げに抵抗し、未だに木造の昔ながらの建物で団子を提供している。だが、最も最近の戦局の悪化により、また店主の歳もあって、店を畳むことにしたらしい。その噂を聞きつけ、鈴が行こうと提案したのだ。
「はぁ…しかし潰れちゃうのやだよね、だんごやさん… 結構思い出あるのになぁ…」
ちりん、と音を立てて鈴が溜息をつく。
東郷鈴。
平均的な女子の中でも小柄な体格であり、鈴のついた髪飾りをつけ、体に不釣り合いな九八式刀を不自由そうに腰につけた彼女は、俺の幼馴染であり、四軍連合作成、「サジタリウス」を指揮した、前代元老の東郷喜一の孫であり、まったくそうは見えないが、最も士官学校で剣術が強い。
とにかく機動が速く、こちらが剣を抜く前に斬られていることもザラ。
いつもはのんびりしているのに、剣を持った瞬間に人が変わったような動きで翻弄する。間違いなく次世代の将軍親衛隊に入る人材だろう。
「謙也、どうしたの? もーすぐつくよ?」
気がつくと、鈴が下から見上げていた。
「あー、すまんすまん、ボーっとしてた」
「もー、しっかりしてよねー‼︎
…あっ‼︎みえたみえた‼︎」
鈴が俺の腕を引っ張って駆け出した。
子供かこいつは。
「わかったからおちつけー‼︎」
抵抗虚しく、鈴は俺を引きずる形で団子屋に接近していった。
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【2016年 8月2日 13時20分 江戸 団子屋「伊織」 店内】
………呆れることしかできない。
目の前には、団子屋のロゴが彫り込まれたなにも付いていない串が軽く30本は超え、それでもまだ団子に食らいついている、幼馴染の形をした何かがいる。
「お前、もっと食べる量セーブしろよ、太るぞ」
「ふぁーっ、むぉー、でゅえりくぁしぃにゃいにゃあ、ふぉんなことぶぁっかりいっとぅえると嫌われるよ‼︎」
「なんで嫌われるよだけ綺麗に発音できんだよお前」
「…しゅき」
「…いえてねーじゃん…」
軽口を叩きながら俺も口に団子を頬張る。みたらしのほのかな甘みが口に広がる。 うまい。この味がもうすぐ味わえなくなると思うと寂しい気持ちになる。
鈴の形をした何かが話しかけてくる。
「ふぉころですぁあ、きゅえんや」
「口に物を入れたまま喋っちゃいけません」
鈴がごくん、と団子を飲み込む。
「ところでさ、謙也」
「なんだ」
「卒業したら、どこの部隊に志願する?」
「ああ…そうだな…」
士官学校卒業後、幕府から正式に上級武士と認定されれば、卒業生は、自らの所属する部隊を選択できる。
九州の「獣」との最前線で力量を図りたい猛者もいれば、各藩に転属して、各藩の下級武士を啓発する仕事に就く者もいるし、国連軍に入隊する者もいる。
「俺は、幕府軍第3陸戦隊に志願しようと、思ってる…」
「第3陸戦⁉︎だってそこ、国連軍との作戦が多い、最もハードワークかつみんな志望する激戦区だよ?武術試験はともかく、文系科目軽視しまくってる謙也に通るのか私疑問なんだけど」
「うっせぇな、優等生は黙ってろ」
幕府軍第3陸戦隊。エリートコースにのった武士にとっての憧れの部隊であり、その一方で、国連軍との合同作戦を頻繁に行う激務を強いられるため、人員の損耗率が最も激しい部隊である。
それでも志願者が多いのは、やはり、「サジタリウス」作戦において、極東地域の「獣」を最も多く殲滅した部隊が、第3陸戦隊であることがやはり要因なのだろう。そして、御多分に洩れず、自分も第3陸戦隊のネームに憧れている。我ながら子供っぽいとは思うが。
鈴が溜息をつく。
「はぁ、謙也も案外単純だったんだね…」
「単純言うな、俺は世界平和にだなぁ…」
「はいはい、わかったわかった」
ぐ。鈴にあしらわれると何か悔しい。
「それで?そういうお前はどこ志願すんだよ」
「え?私? 第3陸戦隊にきまってるじゃん」
…は?
「ちょっと待て、お前、将軍親衛隊志望じゃなかったのか」
「んー、熟慮に熟慮を重ねた結果、第3陸戦隊に決めました、いやー偶然ってこわいね、また同じ部隊かぁ」
「俺は受かるかわかんないけどな」
「なら私も受かんないかもね」
「お前は受かるだろ…」
でも、もし、俺が第3陸戦隊に入隊できれば、またこいつとタッグを組む事になるのだろう。
そういう未来も、まぁ悪くはないだろう。知らない奴よりは鈴の方がマシだろうし。
「なによ、にやけちゃって、鈴ちゃんと第3陸戦隊に行くのがそんな嬉しい?」
「いや、お前だけ落ちて俺だけ入隊する幸せな未来を考えてた」
「君、一生結婚できないよ…?」
鈴と過ごす時間は、あっという間に過ぎていった。
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【2016年 8月24日 11時59分 旧ECA 第7危険指定エリア(旧名 サウジアラビア)上空】
「こちらアメリカ連邦共和国所属、戦術爆撃機B-2編隊、隊長機のアベンジャー1だ。これより、第7危険指定エリアの「獣」に対する飽和爆撃を開始する」
コントロールセンターに通達し、B-2編隊隊長は溜息をついた。これからまた単調な作業が始まる。
「獣」は、空を飛ぶ航空機に対する有効な攻撃手段を持っていない。故にアメリカ空軍の損耗率は陸、海軍に比べて圧倒的に低く、それゆえ比較的緩い雰囲気が漂っている。
のっぺりとした機体が8機、隊列を組んで飛行する。冷戦時代なら考えられなかったことだ、と隊長機はオープンログでつぶやいた。
「しかし、「獣」にはジャパニーズカタナが効いて、なんでこのB-2のスタンダードミサイルは効かないんすかね?」
「質問するが、若造、お前、授業聞いてなかったろ」
「いやぁ、なんかかったるいじゃないすか〜」
ヘラヘラと笑う部下。海兵隊上がりだからしっかりしているだろうという考えを改めなければならない、と隊長は考えた。
「爆発だけでは火力が足りないんだ、超硬度の刃物で切断してからエネルギーを加えないと、「獣」にはダメージを与えられない。
…そして、日本人の刀の硬度は、ダイヤモンドを超えている。奴らが他国にライセンス生産を許可してからというもの、各国は血眼になってなぜそのような硬度を実現できるのかを判断しようとしたのは有名な話だが、ダメだった。魔法としかいいようがない。あの国の鍛冶職人の技術は、他の国々を圧倒してる。なんたってあれだけの硬度を持ちながら、剣にテルミット反応を起こさせる仕組みを持つ炎刀を40年前に作り上げた奴らだ。こんなただTNTを爆発させるだけの武器なんて…」
会話の途中で隊長機は気付く。
自機以外の反応が全てロストしていることに。
「まさか、撃墜されたってのか…⁉︎」
そんな馬鹿な、ありえない。
「獣」には遠隔攻撃手段なぞ存在しない、ではいったい…?
「とにかく、コントロールセンターに連絡を…!」
だが、既に時は遅し。
最後のB-2爆撃機は、地上からのなんらかの砲撃で撃墜された。
この事件が、世界の戦局を大きく狂わせていくことになるとは、まだ誰も知らない。




