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僕と彼女は、当然の如く世界から拒否されていた。それが賢明で、ごく自然だと思った。その事を不満に感じたことは一度たりとも無かった。それが彼らの言う「常識」なのだろうとわかっていた。



僕と彼女は、二人が二人のまま存在するために、離脱を選んだ。それが僕たちに残された唯一の方法で、唯一の義務だった。この時も全く不満は感じなかったし、むしろその線引きに快感を覚えた。地下で息をすることで僕は今までより僕でいられたし、彼女も多分、そうだった。それが何より、何より心地よくてしょうがなかった。僕らは毎日を崇め、讃えた。



僕と彼女は、そのうち身体という存在に依存しなくなっていった。暗い独房の中で、僕は僕である概念とひたすら対話をした。そのうち自分が無力で、定義が無ければ自由は手に入らないということに気づき、絶望した。そうこうするうち、二人は死んだ。



僕と彼女は、孤独だった。

孤独のみを、愛した。

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