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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

高校ヤンキー列伝 かつひこ君の恋 第一話

作者: ケンタウロス

友達のかつひこ君の恋

美術部の女の子に憧れ

クラブに入りたいが一人では入れない

根性なしのかつひこ君

私に一緒に入るよう頼んでまいりました


どうなりますことやら

かつひこ君の恋 一作目でございます


この話し

四部作になっております


あれは高校二年のあと少しで夏休み


という頃でした


友達の

かつひこ君から

あるオファーが

ございました


友達のかつひこ君

簡単に紹介いたしますと

当然ですが

私のお友達ですから

真面目君のわけがございません


頭はやはり

バリバリのリーゼント

学ランにも

お金かかっており

なかなか決まっております


ところが

これがまた

格好だけ

大変おとなしく

優しい


つまりは

根性なし


喧嘩など

した事もない

ヤサ男


しかし

するどい服装と髪型

きついきつい目付き

(単に目が悪いだけですが)


当然ですが

歩いているだけで

喧嘩 吹っ掛けられます



おぅ コラッ

何偉そうに歩いてんねん

しばいたろかい

(通りすがりの他校のヤンキー)


ま 私共のような格好

しておりましたら

日常茶飯事

なんですが


私の場合でしたら



じゃかぁしい

このハナクソ

誰に口きいてんねん

いっぺん死んでみるかい

お~コラッ



などと 怒鳴ったかと思ったら

次の瞬間には


殴りかかっております


もちろん

常にポケットには

メリケンサック

入っておりましたし


それだけではなく

手元の物

なんでも

武器にいたします


硬いものなら

何でも可

でございます


傘はもちろん

道端の看板 自転車 石ころ ブロック 溝のフタ

なんでもござれ

でございます


これからの物を

振り回し

投げ飛ばしつつ

相手に突っ込む


後先は

一切考えません


とにかく怒りとアドレナリンに任せて

突撃する


こういった

戦法を取るわけです


しかしですね

かつひこ君が

武器とするものは


一風変わっておりまして

それは

人間


すなわち お友達

なんですね



つまり

解りやすく言いますと


私や

前の ヤンキー列伝 で登場いたしました

りょう君

のりかず君


そのような

人々の後ろに隠れる

そして

嵐の通り過ぎるのを

頭を低くして待つ



大変賢く

かつ

安全な戦法でございます



一度など

私とりょう君が

いつもの溜まり場の

学校近くの喫茶店にて

コーヒータイム

楽しんでおりましたら

かつひこ君

駆け込んでまいりまして



助けて助けて~

ヤバいヤバいヤバいヤバい



どないしてん?

何か必死で

ひきつった顔がおもろいで

(ちょっとひどい私)



後ろ後ろ後ろ後ろ

助けて~

(若干涙目のかつひこ君)



後ろ というか

喫茶店の入り口あたりを見ますと

ガラの悪いのが

3名

こちらを覗いております



なんやねんあいつら

殺したろかい

(早くも戦闘モード突入のりょう君)



かつひこ

お前何かされたか?

どつかれたか?

(できれば動きたくない怠惰な私)



いや

どつかれそうになったから必死で逃げてきた



お前 俺らがここにおる事

ようわかったな~

野生の勘か?

(相手がたった3人の上に心強いりょう君もいるから気楽な私)




大概 ここか

駅前のラーメン屋やからね

一か八かやわ~

でもケンちゃんとりょう君がおって良かった~

怖いもんなしやわ~




見事な

自己防衛本能やな~

感心するわ~

それが勉強に生かせたらえ~のにな




ケンタよ

くだらん事言うとらんで片付けようや

行くで

(ケンカ大好きのこまったちゃんりょう君)



しゃあないな~

いっちょう

地獄見せたろかい

(仕方なしに腰を上げる私)



やっつけてやっつけて~

(調子のいいかつひこ君)



私が腰を上げて

手頃な武器を物色しておりましたら

りょう君

すでに店の入り口に

突撃いたしております



お~い

りょうよ

慌てなよ

今行くからな~

俺の分も残しとけよ~


店の入り口内側に

小さな棚がありまして

植木鉢に

きれいなお花が

咲いております


それをひとつ

できるだけ

大きく

土の沢山詰まっている物を選び

手にとりまして

外に出てみますと


すでにりょう君

3人のうち

一番柄の大きく

強そうなやつの頭を

伸縮警棒で

派手に殴り付け

頭 かち割っております


相手が多人数の場合

まずは

一番強そうな相手を潰す



喧嘩の鉄則を忠実に守るA型のりょう君




血だらけの大男

ビビって

手出しもできない

ヘタレ二人



鬼のように

頭 顔面 股関

ところ構わず

殴り付ける

怖いりょう君


いつ見ましても

彼の素早い行動力と

無茶苦茶さには

感心させられます




お前らな

そんなとこでビビっとらんと

ちゃんと正座して

謝らんかい

あのままやと

お友達

殺されんで~

(優しく諌める私)



慌てて

正座して

謝る二人



すいません

勘弁してください

もうやめたってください

(泣き声の二人)



よっしゃ

おい りょうよ

やめたれよ


と優しく言いながら

正座してる一人の頭に

重い植木鉢

真上から思い切り

叩きつける私


砕け散った植木鉢と土と血にまみれて

前のめりに倒れそうになる彼を

髪の毛つかんで

起こして差し上げながら

思い切り

膝で顎を蹴りあげます


さてさて

これからが

私の本領発揮

というところで


となりで正座して

待機していらっしゃいました

お友達

私の足にすがりついて

許しを乞います



ごめんなさい

許してください

土下座してますやん

もう止めてください

(必死になる友達思いの彼)



邪魔をされた私

カッとなりまして

怒りの矛先

そちらの彼に

向けてしまいます


彼のこめかみを目掛けて

怒りの鉄拳を降り下ろします


何発も何発も

こめかみをどつかれまして

白目向いております彼を

耳をつかんで店の前の道まで

引きずって行き

思い切り

顔面から

側溝に叩きつけ


うつぶせに倒れた

背中から後頭部まで

蹴りまくります


何かもっと殴り付けたら楽しい

硬い物はないか と

周りを見回しましたら


りょう君

最初の大男

退治いたしまして


もの足りなかったのか

先ほど私が

植木鉢で

頭 叩きわった彼を

引きずり起こして

どこで拾ったのか

ブロックの欠片で

これでもか

これでもか

と顔を殴り付けておられる様子




お~い

りょう

そのブロック

ちょっと貸して~

こいつの頭とブロック

どっちが硬いか試してみるからよ




よっしゃ

ブロックの方が硬い

に1000円や

(勝てる方にしか賭けないA型のりょう君)




おい兄ちゃん

ブロックに負けたら

殺すで

俺に損させんなよ


わははは

お前

鼻が折れて横向いてんで

めっちゃ笑らかすやんけ

わはははは

(悪魔のような私)



おいケンタ

曲がっ鼻な

反対からブロックでどついて治したれよ

わははは

(閻魔様顔負けのりょう君)




そんな

地獄の悪鬼のような

私たち二人を

慈悲に満ちた

優しい眼差しで

眺めつつ



ケンちゃん

りょう君

もう許したって~

かわいそうやん

反省しとるみたいやし

だいたい

血だからけで気持ち悪いし





とっても優しい

仏のかつひこ君の

心温まる

エピソードでした



そんな

心優しい

かつひこ君からのオファー

それは




なぁケンちゃん

頼みあんねん

あのな

一緒にな

美術部

入れへん?



はぁ?

美術部~?

何で俺が

ダ・ヴィンチにならんとあかんねん

絵なんかよう描かんで

他のもんやったら

掻くの好きやけどな

ナニとかな



そう言わんと

入ろうや

せっかくの高校生活やんか

なんかクラブ入るのもええで



アホ

美術部って

顧問の先公

藤田とちゃうか?

俺な 中学の美術でな

なんやモビール作らされた時からな

あいつにめっちゃ

嫌われてんねん



モビールってなに?



ほら 知らんか?

なんや

糸の先に

いろんな飾りぶら下げてやな

それを

何個も組み合わせて

バランスとってな

最後は

一番上の糸でぶら下げたら きれいにバランスとれるやっちゃがな



あ~

なんやそんなんあったな

でも何で嫌われたん?



そんなん作るの

面倒くそうてな

履いとった靴下脱いでな

糸にぶら下げてな

提出したらめっちゃ怒りよってん




それって・・・

めっちゃ臭かったんやろな

先生に同情するわ

かわいそうやわ~



やかましい

けど マジな話し

なんで美術部やねん

青春したいんやったら

暴走族でええやん




あかんてあかんて

美術部しかないて

油絵が僕らを

呼んでんねん




アホらし

ちゃんと理由言わんと

俺は絶対入らんからな



まいったな~

あのな

実はな

美術部に好きな子おんねん

でな 入って仲良しになりたいな~

なんてな




そんなもん

俺やのうてもええやんか

りょうか

のりかずでも誘えや




違うねん

実はな

俺が好きな子な

れいこちゃんやねん




れいこ~

あいつかい・・・



れいこちゃんとは

私と同じクラスの

マジメな女子なんですが


とっても明るく朗らかなクラスの人気者


美人 というタイプではありませんでしたが

とにかく明るい

いつでも笑っている笑顔のかわいい子でした


私達 ヤンキー軍団は

一般的に

マジメな女子からは

嫌われておりまして


後日 同窓会で

ケンタ君達に近寄ったら

不良がうつりそうな気がした

でありますとか

ケンタ君達に近寄ったら

妊娠させられそうな気がした

でありますとか


かなり酷評

された記憶がございます



ところが

この れいこちゃんだけは

私にも

平気でニコニコ笑いながら



ケンちゃん

おはよ

昨日雨やったから

学校サボったやろ?

雨の日に

学校でケンちゃん探すのは

冬にスイカ見つけるより難しい

って言われてるよ

(誰にでも優しいれいこちゃん)



俺はスイカかいな

雨やとな

単車乗れんやろ

電車で来るの嫌やんか

傘 この前のケンカで曲がってもうたしな




あかんよ

電車でおとなしい通わんと

傘なら貸したげるからね

ケンカもしたらあかんよ

(人種差別をしないれいこちゃん)


などと

自然に相手をしてくれておりました



そんなこんなで

私とれいこちゃん

割りと仲が良く

よくおしゃべりとか

しておりましたので

かつひこ君

私に白羽の矢を立てたようでした




頼むわ~

ケンちゃん

れいこちゃんと同じクラスやし

ようしゃべってるやん



まぁな~

どうせ俺はクラブ入ったかて

出席せんし ええねんけどな~

何か

ちょっと小腹がへったな~

駅前のラーメン屋の餃子と焼き飯

食べたいな~

食後のコーヒーも

頂きたいな~

あっ タバコも切れてたよな~



わかったよ~

奢るからな

頼むわ~



なんか

悪いね

おねだりしたみたいやね




思いっ切り

おねだりされたわ~



と いう事で

食い物につられて

かつひこ君と

美術部に入部

する事になりました



さてさて

かつひこ君の恋

いかがなりますでしょうか


かつひこ君の恋

第二話につづきます


第二話ではまたもや

ドタバタが繰り広げられます

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