プロロロローグ(偽)
「遊く〜ん、起きて〜」
ある朝、少年が寝ているベッドの隣で絶世の美女までとはいかないが、明らかに美女の部類に入るほどの少女が不貞腐れた顔でいた。
名を東城 美鈴という。
そして、その少女に起こされているのは、何を隠そう数分後に異世界へと飛ばされる、東城 遊である。
そもそも、遊が異世界に飛ばされたのは、この少女が原因でもある。最も一番の原因は当人の遊であるが・・・。
「遊く〜ん?早く起きないと遊くんにチューしちゃうよ〜♪」
「ん〜、あと5日〜〜・・・」
・・・・ダメ人間である・・・。
「あら〜♪そんなに美鈴ちゃんとチューしたいの〜?しょうがないな〜遊くんは〜。はいっ、ん〜〜〜・・・」
こちらも違う意味で、ダメ人間だ・・・。
「わーーー!うそうそうそ!起きるから!起きるからー!らめ〜〜〜〜〜〜‼︎」
・・・・・・・・・・・
・・・・・
・・
・
「ちっくしょ〜、すず姉のやつ〜。まさかホントにやろうとするなんて、やっぱ千夏がいないからこうなるんだよなー。早く帰ってこないかなー、千夏。」
千夏とは、東城 千夏。遊と美鈴の妹である。ちなみに今、千夏は学校の部活の合宿て行っている。はずである・・・。
「呼ばれて、飛びでたよ〜!お兄ちゃ〜ん!」
「はぁぁぁ⁉︎」
「ただいま、お兄ちゃん♪ところで今、なんか千夏に早く会いたいな〜とか言ってなかった?」
一瞬で見てわかるとうりブラコンである。
「おまっ、そんな事より、合宿はどうしたんだ⁉︎」
「そんな事よりって・・・、まぁいいや!いやお兄ちゃんが会いたがってるかなぁっておもって、合宿抜けてきちゃった♪てへっ!」
言わずもがな、千夏は容姿に恵まれている。こちらは姉の美女とは違って、可愛い系である。ちなみに遊の容姿も、恵まれている方だがある理由によりモテていない、家族を除いて。
「てへっ、じゃねぇよ!てへっ、じゃ!何やってんだよ、また学校から連絡来るだろ!」
遊の言葉通り、千夏は常習犯である。
うわぁぁぁぁぁと嘆きながら遊はorzの形になっている。
なぜ学校から連絡が来るだけでこんなにも嘆いているかと問われると、それは遊が全校生徒に嫌われているからだ、もちろん教師も含めて。すると必然的に遊への当たりが強くなる、妹の事なのに自分の成績は落とされ、姉のことなのに自分の評価が下がり、無論いじめも行われている。だがそれを姉妹に悟られまいと、二人の前では空元気で振る舞っていた。
そしてその嫌われている理由がその姉妹にあったのだ。遊と美鈴と千夏、三人とも同じ高校に通っておりそれぞれ2年、3年、1年である。そしてその姉妹は、家と同じように振る舞っている。他人から見たら遊は血の繋がっている癖にあの美人姉妹とラブラブしている、不埒な野郎だと認識されている。
当然、遊はそんな気は無いのだが、そんな言い訳通る訳がない。なので遊はまた、成績が落ちるのが確定し、嘆いているのだ。