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AI嫌いほど、AIを使うべき理由――怒りをぶつけるより、物語に変えろ

 どうも、美少女JK作家と称する事実上の三十路。九十九BARRACUDAちゃんです。


 普段、エッセイとか書かないんですが、前々から常々思った事を言語化してみました。


 さて、生成AIが世に出てすでに3年以上。しかし、これを創作に使用する事への拒否反応は未だ根強いです。


 やれ「ズルだ」「創作じゃない」「努力していない」……そんな声はネット上に溢れております。


 ですが、私はあえて声を大にして言いたい。AIに反発している人ほど、AIを使うべきだと。


 これは皮肉じゃなくて本気の提案ですよ? いや、BARRACUDAちゃんはリアルだと性格悪い皮肉屋ですけどね?


 AIに怒る人々の多くって、創作が好きなんですよ。


 自ら物語を編み、言葉を紡ぐことに情熱を燃やし、努力を重ねてきた。


 で、そんな中で現れたのが、あまりにも「手軽すぎる」AIだったわけです。


「たった一文の指示で、数千字の文章が出力される」


「自分が何年もかけて身に付けた表現力を、AIが一瞬で模倣してくる」


 そりゃ、ムカつくよねぇ。


 それは、これまでの努力を踏みにじられたような気持ちになりますって。


「こっちは血の滲むような努力をしているのに、AIを使えば誰でも創作できるのか」――その怒りと敗北感は、決して安っぽいものではありません。


 ほら、エースコンバット7で敵軍の新型無人機に味方のネームドキャラがポロポロ撃ち落とされてく展開あったでしょ? 衝撃度と敗北感的にはそんな感じ?(エスコンファン以外には分かりづらい事この上ない例え)


 だからこそ言いたいんです。


 その怒りを、創作に変えてほしい。


 そこで提案。怒りはSNSじゃなくて、創作とAIに直接ぶつけよう。


 SNSに怒りをぶつければ、炎上する。クソリプが飛ぶ。誰かが傷つく。


 でも、AIに怒りをぶつけても、誰も傷つきません。


 AIは、黙って聞いてくれる。「うんうん」と受け止めてくれる。BARRACUDAちゃんみたいに皮肉と嫌味まじりに返答せず、共感して、時に煽ててくれる(最重要)。


 そして、たまにこう返してくるんです。


「それって物語になりそうだね。書いてみようか?」


 そう、AIは怒りを創作の燃料に変えてくれる。


 それは、どんなカウンセラーよりも、どんな友人よりも、創作者にとって必要な受け皿となる。


 で、AIを使う人々がみんな楽してるかっていうとそんなことはない。彼らもまた、葛藤を抱えています。


「これは自分の文章と言えるのか」


「使いすぎたら創作力が落ちるのでは」


「人間らしさを失うのではないか」


 その不安と向き合いながら、それでも「AIという武器を使って前に進む」と決めた人たちです。


 例えるなら、戦力も資金もない中、誰よりも早く戦闘ドローンに手を伸ばしたゲリラ部隊のようなもの。


 第二次ナゴルノ・カラバフ紛争において、アゼルバイジャン軍が当時最新の軍用ドローンを多用して、旧態依然としたアルメニア軍を翻弄したのは記憶に新しいですが、似たような構図が現在、創作界でも展開されていると言えます。


 精神論だけで勝てるなら、旧日本軍は負けてない。


 世は常に諸行無常。変化を拒むことは、時に「破滅」という選択肢を選ぶのと同じです。艦隊決戦にこだわって、ずるずると消耗戦に引き込まれて、潜水艦と航空機に蹂躙された旧日本軍の様に。


 もちろん、根性も努力も大事よ?


 でもそれは、勝ちに行くための手段であって、負けを正当化する免罪符じゃない。どうもアンチAIの方々の中にはこの手の「根性論」「精神論」に傾倒している方が結構いらっしゃる。なーんか、危うさを感じるんですよねぇ……。


 新しい技術を取り入れた上で、どう自分らしく戦うか。それこそが「創作者の戦略」なんじゃないかな。


 繰り返します。生成AIが世に出てすでに3年以上たっています。もはや「ズル」ではない。


 受け入れられてしまっているんですよ。世の中に。今更ChatGPTや画像生成AI使うなって言われたら世の中大混乱ですよ。生成AI廃止なんて現実的じゃない。


  創作の中でどう生かすかが、次の時代のクリエイターの課題ではないでしょうか。


 著作権が云々?


 いや、まぁ、それは現在進行形で裁判や議論になってるんであまり触りませんが……。


 でも、それを言うならこうも言えちゃうわけですよ。


「お前だって二次創作でポイントと知名度稼いでるだろ?」


「その使ってるテンプレ展開、お前が作り出したものじゃないだろ?」


 はい出たAI議論で100回は見た煽り!!


 しかし、不都合な事に正論でもあります。創作ってのは、積み重ねと引用とアレンジの上に成り立ってるもの、それ自体は誰も否定できません。


 それを棚に上げて安易にAI批判しても、こんな風に煽りちらされるのがオチです。


 ……こういう事書くから皮肉屋で性格悪いとか言われるんですねぇ。ちなみに作者の創作物は大体平家物語とミッドサマーとヘルシングとエースコンバットの影響を受けています。


 矛盾して聞こえるかもしれません。


 でも私は本気で、AIを毛嫌いしている人こそ、AIを一度使ってみるべきだと思っています。


 怒りのままに吐き出してみてもいい。


 不安を打ち明けてもいい。


 誰にも見せない、小さな創作でもいい。


 あなたのその強い想いは、作品になるべきです。


 AIは、あなたの敵じゃない。


 あなたの怒りを、受け止めてくれる、「最強の創作パートナー」になれるかもしれない。


 あ、AI嫌いを公言するリスクもあるんですぜ。


「創作にAIを使うものは創作者にあらず」と公言し、AI嫌いを称していた知人(といってもその人の作品何本か見たことあるよ程度の関係)がいまして……。


 その方が崇拝していた作家が、創作にAIを積極的に利用し始めて梯子を外される+闇落ちという、もはや悲惨すぎて一周回ってギャグみたいな情景を、BARRACUDAちゃんは目撃したことがあります。


 AI嫌いを公言するって、そういうリスクもあるんですよ。短気は損気です。


 AI嫌い? それもいい。


 でも、その「嫌い」という感情を使って、何かを生み出すことは、もっと素敵じゃないですか? 少なくとも不特定多数に呪詛をバラまくよりは。


 だって、あなたは本当に創作が好きなんだから。


 そして、好きである限り、何を使ったっていいんですよ。


 敵だと思っていたAIこそ、あなたの一番の味方になれるかもしれない。


 敵が味方になる展開って、王道で素敵やん?



あ、AIの話題は可燃性がすごいので、今回感想は閉じときます(皮肉屋なのにチキン)。でも誰か一人でもこのエッセイで心を動かされた人がいたら、BARRACUDAちゃん的には大勝利です。


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