レオンの初夜♡ (3)
「お兄ちゃん、やるわね。」
レオンと手を繋いで帰ってきたエイムを見て、ナディはそう褒め称えた。
「お帰りなさい。エイム様、レオン様。」
「ただいま。リア。」
そう言ったレオンは堂々とエイムの手を放さずにいた。
「ナディ、ごめんね。いろいろ気を遣ってもらって。」
「気にしないでいいよ。それよりちゃんと準備はできた?」
近寄ってきたナディをレオンは抱きしめた。
「うん。ありがとう。」
「じゃぁ、まずご飯にしよう!元気つけて、今夜はいっぱいお兄ちゃんに甘えて♡」
「うん♡」
そうして、エイムの左にナディと右にレオン、そして、前にリア。この席順はしばらくこの家出の四人の定位置になった。
「エイム様、絵に描いたような両手に花ですね。」
明らかにリアの目に浮かんでいるのは好奇の色だった。
「ちょっと食べづらいかな。二人とも、もうちょっと離れて座った方が……」
「いいよ、食べにくかったら僕が食べさせてあげるから。」
「そうよ。お兄ちゃん、はい、あーん♡」
リアの視線が痛いので、エイムは言ったのだが、完全に逆効果になった。
「あ、ずるい。僕もそれやりたい!エイム、こっちも!ほら、あーん♡」
それを見ていたリアの笑顔は、さすがに少々引きつり始めた。
「なんかすっごい楽になった。」
夕食が終わって、少しすると後片付けをして、ナディはリアとともに実家に戻っていった。そして、エイムと二人きりになったレオンが、飲んでいたお茶を飲み干してから話しだした。
「結婚までしといてさ、今更、なに恥ずかしがることがあるって言うのさ。」
そう言ってレオンは自分を鼓舞しないと緊張してしまうのだろうと言うことが、エイムには手に取るように分かった。
「エイムも黙ってないで、なんか言ってよ!」
「こっち見て話せよ。」
レオンはそっとエイムの方を見た。まっすぐレオンの顔を見つめているエイムと目が合った瞬間、またレオンの顔がみるみる真っ赤になった。
「ねぇ、どうしたらもっと楽になるか教えてよ、エイム。」
また下を向きそうになったレオンをそのままエイムは抱きしめた。
「エイム?きゃっ!」
ストレングス(身体強化)の呪文を自分にかけて、エイムはレオンを抱きかかえた。びっくりしたレオンは、夢中でエイムの首にしがみついた。
「ま、待って。まだ僕、身体も拭いてない。」
「気になるんだったら、俺が拭いてやる。」
「えっ?」
「それにおまえ、風呂に入ったらまた緊張しだすだろ。もう待ってられん!俺、今すぐ今のままのレオンが欲しい。」
どんどん熱くなっていくレオンの体温をエイムは感じていた。そのまま何も言わなくなって、ただしっかりとしがみついて離れないレオンを、そのままベッドまで連れて行って寝かせた。そうしてから、ベッドに背を向けて、サイドキャビネットのランタンに火を灯していると、後ろでレオンが立ち上がったのが分かった。
「まだ振り向かないで。ちょっとだけ待って。」
ランタンの灯が揺れる音すら聞こえてきそうな静かな部屋で、背中から衣擦れする音が聞こえてくる。
「いいよ。こっち向いて。」
そこには生まれたままの姿で、隠しきれないほどたわわな乳房を恥ずかしそうに両手で覆ったレオンが立っていた。
「もうこれ以上、僕、どうしたらいいか分からないから。僕の身体、変じゃない?」
目の前のレオンは、ランタンの火に照らされて艶めく健康的な肌、そのふくよかな乳房、そこからお尻までが、美しい曲線美を描いていて、エイムが今まで妄想したレオンの裸体、そのいずれよりも目の前のレオンははるかに美しかった。
「なんか言って。」
「綺麗だ、レオン。」
「え?……嘘。」
裸のまま戸惑うレオンをエイムは力一杯そっと抱きしめた。
「嘘なもんか。何度でも言ってやる。めちゃくちゃ綺麗だ、レオン。」
目を合わせても次の言葉が見つからずに、照れることしかできないでいるレオンがエイムにはかわいすぎた。緊張でこわばった身体が震えているのがエイムにも伝わって、なんとかこの緊張を解いてあげたいと思ったエイムは、ナディが教えてくれた言葉を思い出した。
「愛してる。」
そのエイムの言葉でレオンは自分の身体の芯が震えたのが分かった。その震えで、自分を縛っていたものから解き放たれる開放感に満たされた。抱きしめられて求められるままにエイムにしがみつくと、どんどん力が抜けて、そのままベッドに押し倒されてしまった。
そして、エイムの吐息を唇で、首筋で、乳房で感じるたびに、頭の中がどんどん白くなっていくのを感じた。何かが溢れ出しそうなのに、溢れずに身体をどんどん熱くして満たされていく感覚が気持ち良くて、我慢できずに口を開くと、自分でも信じられないほど甘い声が漏れた。
それすら恥ずかしいのではなく気持ち良かった。
「エイム、だめ。僕、もうどうにかなっちゃう。僕を、僕の初めてを……奪って、エイム。」
そうして、二人は一つになった。繋がって抱きしめ合って一つになったことを何度も何度も確かめあった。




