レオンの初夜♡ (1)
「あ、やっと起きてきた。お兄ちゃん、もうお昼だよ!」
エイムが起きてくると、ナディにレオン、リアまでリビングにいて、お茶を飲みながら歓談していた。
「おはようございます。エイム様。」
「ああ、おはよう。リア。」
爽やかな笑顔で、声をかけてくれたリアの前に座ると、ナディがまずスープを持ってきてくれた。ずいぶん具だくさんだったが、起きたいきなりでも、エイムの身体は欲していた。おまけにうまい。一瞬でなくなった。
それを見ていたようなタイミングで、ナディが今度はパンと厚切りにして焼いたハムを持ってきてくれた。
「お兄ちゃん、ちょっとがっつきすぎよ。ゆっくりよく噛んで食べないと身体に悪いよ。」
よく寝た。精根尽き果てるとはこういうことかと実感して眠りについて、すっきり目が覚めると、一緒に寝ていたはずのベッドに、すでにナディの姿はなかった。
リアが言うには、ナディは普通に朝、今、エイムが食べているものと同じスープをミネルバのところに持っていって、リアにも朝食として振る舞ったそうである。
ナディはこの中で家事に関しては一番年下なのに、一番しっかりしているように思える。きっといい嫁さんになってくれるだろうと、エプロン姿で炊事場に立っているナディの後ろ姿を見ながら幸福感に浸っていたエイムが、強い視線を感じて横を向くと、そこに座っていたレオンが、目が合った瞬間、みるみる顔を赤くして下を向いて目をそらした。
「どうしたんだ?調子悪いのか?」
「だ、大丈夫。元気だよ。ぼ、僕、家に帰って、荷物を整理して持ってくるね。」
そう言って席を立つと、そそくさとエイムの家を出て行った。
レオンが空けた席に、スープのおかわりを持ってきてくれて座ったナディにエイムが聞いた。
「なんであいつ、何の荷物持ってくるんだ?」
「当たり前でしょ!私も、今日は自分の荷物を整理しに帰るけど、結婚したんだから、お姉ちゃんも私もここに住むの!」
レオンの行動についてはエイムは納得した。
「でも、あいつ、顔、赤くなかったか?熱でもなきゃいいけど。」
「お兄ちゃん、真面目に言ってる?」
「え?!」
ナディの声のトーンから、その逆鱗に触れたことをエイムは直感した。
「お姉ちゃんとキスしたの、結婚式の時が初めてだったんだって?私はもうてっきり、あの遺跡に行ったときに、お兄ちゃんに口説き落とされたと思ってたのに。」
「な!?」
「お姉ちゃん、いっぱいいっぱいなの!好きな人と初めてキスしてから、お嫁さんになって、今日は初夜だよ。たった二日よ?気持ちが追いついていかないのよ。きっと。」
「な!しょ…?!」
「当たり前でしょ!昨日は、私がお姉ちゃんにお願いして、譲ってもらったの!だから、今日はお姉ちゃん!」
「あ、いや……そういう……」
「ぐだぐだ言わない!そのスープの食べ終わったら、お姉ちゃんの手伝いと迎えに行く!分かった?!」
「はい。」
食事を済ませるために前を向くと、リアが微笑んでいた。そして、その笑顔はナディさんの言うとおりにした方がいいですよと言っているようにしか、エイムには見えなかった。




