ナディの初夜♡ (2)
「お兄ちゃん、ベッドに行くならその前に、ちゃんと身体を拭くくらいはしてよ!」
この寒い季節になんで?という顔をエイムがナディに見せた。
「今夜は初夜よ!私も、後片付け終わったらお風呂入るから!あ、それとも一緒に入る?それでもいいよ♡」
「な?!なに!」
ここに至って、それとなくナディが一人、残った理由を初めてエイムは理解した。その理解までに時間を要して硬直しているエイムに、エプロンを着けて後片付けをしていたナディが近づいてきて抱きついてくると、そのまま唇を合わせてきた。
長い長い、そして、舌を存分に絡め合わせる、今までで一番長くて濃厚なキス。
エイムの理性の崩壊を妨げるものは、もう何もなかった。ナディがそっと唇を離すと、すぐにエイムはもう一度、ナディが欲しくて抱き寄せた。
しかし、ナディは人差し指で、エイムの唇を押さえて押し返した。
「ダメだよ。こんな所で……私も初めてなんだから。私も準備するから先にベッドで待ってて。」
キスだけで理性を失なっていたエイムは、躾けられた犬のようにナディの言葉に従った。ただ風呂場で何度水を浴びても、体温が下がらず、とにかくカラダを濡れたタオルで拭きまくって、自分の部屋に戻って、横になることもできずに、座ってナディを待っていった。
エイムの人生で一番長く感じた待ち時間だった。
そして、扉が開いた。
ランタンを携えて、扉を開けて入ってきたナディは、その白い肌が透けて見えるほど薄い淡いピンク色のレースのネグリジェを纏っていた。
ゆっくりと近寄ってきて、ランタンをベッドのサイドキャビネットにおくと、エイムの目の前に来て、くるっと一回転して見せた。まるで妖精が舞っているようだった。
「ママがね。嫁入り道具だって作ってくれたの。どう?似合う?」
目が釘付けになって、瞬きすることすらエイムは忘れて完全に硬直していた。
ナディは近寄って、ベッドに座ったまま固まっているエイムに跨がって抱きついた。
「ふふふ。嬉しい。お兄ちゃん、私を見て興奮してくれてるんだ。熱いくらい、お兄ちゃんの身体、温かーい。」
そう言ってナディは唇を合わせてきた。エイムはその唇を夢中で貪った。そうして力一杯、ナディを抱きしめて、そのままナディをベッドに押し倒した。
「ま、待って。お兄ちゃん。女の子はね。初めては痛いの。私もママにいっぱい教わってきたし、痛くないようにってお薬も作ってもらって飲んできたけど……優しくして。お願い。」
ナディがこれほど大人っぽく見えたことは、未だかつてエイムにはなかった。
「ど、どうすればいい?」
「まずは私の目をちゃんと見て、愛してるって言って。そして、優しく抱きしめて、優しくキスをして。」
ボロボロの理性でなんとか手綱を引いて、それでも暴走してしまいそうな衝動を力一杯、押しとどめて、力一杯、そっとナディを抱きしめた。そして、吐息が触れるくらい顔を近づけて、エディの潤んだ瞳を見つめて、力一杯、ゆっくり一言一句、心を込めてエイムは言った。
「ナディ、愛してる。」
「たいへんよくできました♡ふふ、私も愛してる。お兄ちゃん。」
そう言って、ナディはエイムに最高の笑顔を見せてくれた。二人はどちらからともなく唇をあわせた。長く、ゆっくりと。そして、やっとエイムはナディの体温を感じることができた。ドキドキと鼓動が早くなっていることも感じられた。
「ママがね。教えてくれたんだ。女はね。愛してるって言葉だけで心も、身体まで満たされるんだって……今ね、ママが教えてくれたこと、すごく分かるの。嬉しくて涙が出そうなくらい。」
ナディへの愛おしさで、エイムはもうはち切れそうだった。
「いいよ。お兄ちゃん、来て。ゆっくりだよ。」
ナディに導かれて、エイムは衝動を必死になって押さえ込んで、少し進むたびに、身悶えるナディを気遣いながら、奥へ奥へゆっくりと進んでいった。そして、ナディと一つになった。




