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魔装変身 レビルオン  作者: 川端 大夢


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15/37

それでいいの? (1)

「お兄ちゃん、口止め料ちょうだい♡」


 あの盗賊退治以来、二人きりになると、ナディは口止め料といって、エイムにキスを求めてくるようになった。


 贔屓目抜きで、ナディはかわいい。かわいさなら間違いなく村一番、マルタでもリオキリルでも、ナディよりかわいいと思う同世代の女の子を、エイムは見かけたことはなかった。

 ミネルバ曰く、ナディの噂を聞いた領主から奉公にという話も、これまで一度や二度ではなかったという話も、エイムはまったく疑っていない。

 今はまだまだ美少女の域を出ないナディだが、長く艶やかな黒髪、色白ではっきりした目鼻立ち、少し切れ長な目など、明らかに美魔女の母の血を色濃く次いでおり、もう何年も経たないうちに美女と呼ばれるようになるだろうとエイムは確信している。


 そんなナディに、毎日のように、しかも、日に日に積極的に舌まで絡めてこようとする濃厚なキスをねだられて、今日も飛ばなかった理性をエイムは自分で褒めてやりたかった。


「今日は夜、年越しのパーティだからね。マイアさんと私で腕によりをかけてごちそう用意するから、楽しみにしてて♡」


 そう言って、昼食にとパンにスパイシーに味付けした鶏肉を挟んだものと甘くなるまで野菜を煮込んだスープを置いていってくれたナディに、口止め料を払ったおかげで、午前中、読んでいた魔術書の内容は、すっかりエイムの頭の中から吹き飛んでしまった。


 吹き飛んでしまったものを取り戻せる気がせず、身体を派手に動かせば、腹も減るし、悶々とせずにすむと思って、午後からはレオンの体術の稽古に付き合った。


「エイム、集中力が足りなくない?」


「レオンこそ、手加減してないか?攻めが甘いぞ。」


「そ、そんなこと。」


 どんな表情でレオンがそう言っているのか、エイムもレオンに目を合わせられなかった。

 結局、汗をかいてもすっきりはしなかったが、無事、腹だけは減った。


 ここ三ヶ月くらいで、精製が追いつかないほどハイポーションの大量注文を捌いて、その原料採取から配送までエイムにレオン、リアも手伝ったこともあって、その儲けの還元ということで、材料費は全部、ミネルバ持ちで恒例の年越しパーティを開催することになり、夕方近くから、ぞろぞろとエイム宅にみんな集まってきた。

 毎年、ミネルバが費用を持つわけではないが、三家族がエイム宅に集まって年越しをするのは、エイムが物心がついた頃からのずっと続いている恒例行事だった。


「被災した人には申し訳がないが、ちょっと贅沢に新しい年を迎えられることに感謝して、乾杯!」


 そうして、ミネルバの音頭で宴は幕を開いた。

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