5話 後は任せて
途轍もなく広大で雄大な浮遊島、その中には多種多様な生き物が生息し大自然を作り出している。
そしてこの島にはもちろん、ドラゴン以外にワイバーンや怪鳥など脅威的な生物も存在している為、帝国はそれらを掃討しながら標的であるドラゴンを探している所だった。
『ーーこちらMF-25隊・隊長クロム、周辺区域のワイバーン等、脅威の排除を完了致しました』
MF-25隊とは魔導戦闘機部隊の25番目の部隊の総称であり、クロムと名乗った少女はその隊長をしていた。
『了解、MF-25は一度帰艦し補給を受けてください』
『ーーMF-25了解』
MF-25隊の隊員たちが帰艦する為に大きく旋回した時だった。
「なんだ?」
クロムはふと、嫌な予感がして島の中心にある大きな山な麓を見たーーすると、
「ーーっ、総員退避!!」
急いで退避を命じるが間に合わない、極太ブレスがMF-25隊を無慈悲に飲み込んでいった。
そのブレスの破壊力は圧倒的で、直撃すれば即死、カス当たりでも墜落は免れない。隊員のほとんどが即死・墜落していく中、唯一無傷なのは最初に気づき回避行動に出ていたクロムだけだった。
『隊長!機体制御不能っ、パラシュート展開不可です
至急救援願いまっーーーー』
「あぁクソッ!!」
部下からの連絡も生命反応も途切れた、クロムには怒る時間も後悔する時間も無い。ドラゴンからのブレスは今も絶える事なく放たれている。
「後は任せてよ!」
そんな少女の声が聞こえた思うと、白い人形の何かが物凄いスピードでドラゴンへと向かっていった。この白い人形はつい最近実用化された魔導式人形戦術機であり、クロムもその概要だけは説明されていたが。
「つ、強いっ、、、、、、、、」
クロムの視線の先で行われている戦闘は異次元の領域に達していた。一撃喰らったら終わってしまう強力な攻撃を連続で繰り出してくるドラゴンに対し、そのスピードで圧倒する白い機体。
彼女は思った、
ーー白い機体のスピードはもちろん凄いが、それを繊細に制御しているパイロットは規格外だ。
急発進、急停止、急加速、急旋回。これらを次から次へと行う高速戦闘は相当な反射神経、思考力を使う事だろう。強いGに耐える三半規管も大したものだった。
「ははっ、はははっ、強いねぇ!」
遠くに聞こえるパイロットの声はとても楽しそうであり、クロムは畏怖の念を覚えるのだったーー。
社会人ですが今後とも高頻度で投稿できるよう頑張りますので、面白かったらブックマーク、下の評価よろしくお願いします!!