0話 未来のとある出来事
シリアス展開です
ーーこれはいつか起こる未来のお話、彼女の数奇な運命の分岐路の1つだ。
※
あれは冷たい雨が降った戦場での出来事。
この国は元々、豊かな自然と美しい町並みが広る国だった。だが今は、戦闘の爪痕が深く残り、跡形も無く破壊され尽くされている。
「、、、、、、、、、なんで?」
その一言に込められた感情は酷く重い。彼女の赤い瞳からはとめどなく涙が溢れ、その頬を伝っていく。強い悲しみと後悔が頭の中を埋め尽くしているようだった。
「、、、、、、、、、、殺してやる」
彼女の深い悲しみは、いつの間にかこの理不尽への怒りで埋め尽くされていた。流れる涙と共に、失ったモノを数え、この理不尽や不条理に怒りを憶える。
気付けばその赤い瞳からは涙ではなく、強く可視化できるほどの赤黒い魔力が流れる。
彼女の激情と共に急激に高まる魔力は制御不能な域にまで達しており、赤黒い魔力が物理的な破壊力を持ち暴れ回った。
これだけ派手にやっていれば流石に目立つ、気づけば帝国の戦術機が駆けつけ彼女を囲い込む、
『ーーZa-1落ち着け、我々は味方だ敵じゃ無い』
帝国のパイロットに落ち着く様に諭されるが、今の彼女には逆効果だった。
「ううん、敵だよ死んで」
彼女のその声には魔力が乗っていて妙に響いた。帝国のパイロットがその言葉の意味を理解するより前にそれは起こる。
『、、、、、、、、は?』
そのあまりに突然の出来事に間抜けな声をあげるがもう遅いーー彼らは戦術機ごと爆散した。
「あはっ、大爆発〜〜!!」
爆発した戦術機の破片が彼女を切り刻む、体のあちこちから血が流れ水溜まりを濁した。
そこで彼女は狂気的な笑みを浮かべ口を開く、
「さぁ行くよ」
”なぜ戦術機は爆散したのか”この原理を知っているのは彼女だけに違いないーーこの謎の力を使った彼女1人と帝国軍との戦いは、今始まろうとしていたーー。
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