もしもスズエが賢者だったら
スズエ、本編では賢者だけ引いていなかったなと。
実際、彼女はシルヤを守るためなら何でもするとは思う。でもどっちにしろ最終的には死ぬんだよな……。
カードがあったため拾うと、そこには「賢者」と書かれていた。
(なんだこれ……?)
とりあえず、私はポケットの中に入れる。
「賢者は鍵番が誰か分かります」
その説明に、私はハッとなる。
それなら、鍵番が誰か分かれば……。
いや、賢者は選ばれても全滅することはない。つまり……私は選ばれてしまっても、問題ないわけだ。そうなると……賢者だと言ってしまっているから、死んでしまう。
(……生きたいなんて、思っていないけど)
私、シルヤを守りたいよ……あの子を、一人ぼっちにしたくない……。
鍵番がシルヤだと分かったメインゲームで、賢者が誰なのか当てることになる。キナとハナさんがそれぞれ答えていながら、私は答えることが出来なかった。
「……これで分かったねー。賢者は、スズちゃんだ」
ケイさんが言い当ててしまう。私はギュッと拳を握り締めた。
「……は、ははっ……命運、尽きちゃった……」
死ぬのが怖いわけじゃない。シルヤを一人、残すことが怖いのだ。
でも、そんなのが通るわけがない。票は……私に集まった。
「……仕方ない、か……」
身体が震えている。でも、それ以上に……シルヤが生き残ってくれることに、安堵していた。
「す、ず……」
「ごめんね、シルヤ。お姉ちゃん、もうお前を守ることが出来ないみたいだ」
だから、せめて。
「お前だけでも、生きてよ?」
それが、私という人間の最期の願いだった。




