雪で遊びたい
ランとスズエとフウの親子が雪で遊ぶだけの話。
娘は一応「カナエ」ですが、ここでは名前を出していません。
「ニャー!」
東京で珍しく雪が降り、フウが大はしゃぎで外に飛び出す。
「こら、フウ。お母さん達追い付けないよ」
スズエが声をかけると、フウは「待つニャ」とその場に待機した。道路ではなかったため、すぐに靴を履きフウのところに向かう。
「寒っ……」
「頑張れよ、お父さん」
寒さが苦手らしいランに小さく笑いながら、フウや娘を公園まで連れて行く。
「ユウヤさんの方が適任だろ……」
「まぁまぁ。あんまり降らないんだからいいじゃないか」
実際、ユウヤは雪に慣れている。しかし子供と遊ぶのも親の役目だ。
「雪だるま作るニャー」
「はいはい」
それを分かっているのだろう、ランもなんだかんだフウに構っていた。スズエは娘と一緒に雪ウサギを作る。
「これ、おとーさん!」
「おー、似てるね」
不格好な雪ウサギを渡され、スズエは頭を撫でる。
「これはおかーさん、これはおにーちゃん!」
「いいねいいね」
どうやら全員分作ったらしい。
この時がずっと続けばいいのに。
そう思いながらスズエも同じように作っていた。




