お出かけ エレン・シルヤ・アカリ編
きょうだい編です。
このきょうだい、本当に仲がいい。
「スズ、今日どっか行こうぜ!」
学校内でシルヤに誘われ、スズエは「いいぞ」と笑った。
「あれで付き合ってないってマジ?」
「絶対出来てるって」
いまだにそんな噂が流れているが、二人は気にしていない。
放課後、学校から少し離れたところに車が止まっていた。
「スズエ、シルヤ」
「兄さん、ありがと」
エレンとアカリが迎えに来てくれたのだ。どうやらこのままどこかに行きたいらしい。
「ねぇ、お兄ちゃん。どこに行くの?」
「映画館行こうぜ」
「いいですね。そのついでにスズエとアカリの服も見繕いましょう」
なぜついでに自分達の服も見繕うのだろうか……?
なんて思いながら映画館に着く。そしてアクション映画を見た。
「面白かったな!」
「そうだね、特にあのシーン……」
「兄さんはあの場面が……」
「わたしもあのシーンが好き!」
四人で話しながら洋服屋に着く。
「スズ姉、逃げるなよ?」
「大丈夫です、兄さん達がスズエにピッタリのコーデを買ってあげますので」
逃げようとしたのがバレてしまい、ガシッと肩を掴まれる。これは無理だと悟ったスズエは諦めて中に入った。
「本当にこれ似合う……?」
「大丈夫です、兄さん達の目に狂いはありません」
「アカリもそれでよかったか?」
「うん!ありがとう、お兄ちゃん!」
三十分後、ワンピースとコート、そして小物類を買って食事に向かった。
「……最近外食が多いから太ってるかも……」
「大丈夫、むしろスズ姉は太った方がいい」
「それに、ちゃんと考えて朝食やお弁当は作っているので簡単には太りませんよ」
さすがシェフ、そこら辺のことは考えられている。
それならとスズエは適当に注文する。そしてそれを食べた。
「きょうだいで過ごすのは初めてですね」
エレンが言うと、「そういや、そうだな」とシルヤが頷いた。
きょうだいが離れ離れしている時間が長く、こんな時間もなかった。
「今度、どっか旅行に行きたいな!」
「いいね、休みの時に行こうか」
アカリの言葉にスズエは頭を撫でながら頷いた。




