お出かけ マミ・ミヒロ編
松浦兄妹編です。
スズエちゃんはライブとか行かなさそう。
マミとミヒロは行きたいライブがあると平日の夜に約束した。
学校から帰ってきてすぐに着替えると、そのコンサート会場に向かう。
「ちょっと視察も兼ねているんだ」
マミが笑ってスズエに言った。もちろん好きなアーティストであるのだが、仕事上の都合もあるのだろう。
会場に着くと、既に大勢の観客で沸いていた。
「結構有名な人なんですね……」
「あぁ。スズエはあまり興味ないか?」
「そうですね……失礼ながら」
マミやミヒロに会わなければ一生縁がなかっただろう。
「ほら、始まるぞ」
マミに言われ、スズエは舞台を見る。
そこにはマミやミヒロより少し年上であろう女性が立っていた。
「彼女、あたしたちの先輩なんだ。兄貴の無実を唯一信じてくれた人でさ」
マミが感慨深く呟く。
今でこそスズエが冤罪であると証明してくれたためミヒロはここに立っていられるが、そうじゃなければ何年も牢屋の中だった。
「彼女も兄貴の冤罪を必死に集めようとしていたんだ。……スズエが持ってきてくれるのがもう少し遅かったら、彼女は裏社会に乗り込むところだった」
「そう、だったんですね……」
もちろん、スズエはそうならないようにしているが……出来ないこともあるのも事実だ。
「……だから、ありがと。裏社会って、結構やばいんだろ?」
「そうですね。私みたいに義賊もいますけど、大半は堅気からだまし取ろうとする半グレばかりですし。……女性だと、そういう目に合うって人もいます」
「彼女がそこまで踏み込まなくてよかった」
二人にお礼を言われ、スズエは恥ずかしいような、安心したような、そんな感覚になった。




