もしスズエが巻き込まれていなければ
そのままです。
参加者じゃないスズエが一番強い……。
「やっほー、シルヤ君」
「な、アイト!?それにスズ姉!?」
「安心して、このスズエさんは人形で本人じゃないよ」
ほら、自己紹介してとアイトがスズエに言うと、
「こいつのお守りのスズエだ。よろしく」
「スズエさん?」
「こいつが何かやらかしたら呼んでくれ。すぐに駆け付ける」
「違うよね?君、ボクのサポート役だよね?」
「事実だろ。特にお前はヤンデレサイコパスだからな」
「酷い!」
なんだろう、この実家のような安心感。
言い合いをしている二人を見て、図らずもほっこりしてしまった。
シンヤやほかのモロツゥの人間が参加者たちの前に立ったその時、
「はーい、こんばんはー」
扉を蹴破った音が聞こえたと同時に、茶髪の女子高生が黒い笑顔を浮かべて入ってきた。
「うちのかわいい弟を連れ去った奴らは誰かなぁ?」
「スズ姉!?」
「あれが!?」
めっちゃ怖いんですけど!?いっそ目の前の人形さんと顔のよく似た別人であってほしかったよ!?
「シルヤ、もう大丈夫だよ。お姉ちゃんが奴らを始末してあげるから安心してね」
「し、侵入者だ!殺せ!」
拳銃を向けられるが、スズエは気にせずスタスタと近付く。そして手首を強くひねった。
「ギャー!」
「ウフフフフフフ……次は誰かしらー?」
こえぇええ……。
その場にいた全員が同じように震えた。
(さすがブラコン……)
遠い目をしながら、ユウヤはそう思った。




