平和?な日常
うん、彼らにとってはこれがいつもの日常だからね、仕方ないね☆
食事に行くと、エレンとシルヤがスズエの横に陣取った。
「……えっと、二人とも?」
「どうしましたか?」
「さすがに狭いかなー……なんて……」
それもそのハズ、三人で座るので普通は狭くないのだが、二人はくっついている。スズエが狭いと思ってもおかしくない。
「そうか?」
「うん、だからすこーし離れてくれると助かるかなー……」
「スズエを男の目にさらすよりマシです」
「うん逆に目立ってるから」
何せ女の子が二人の男に詰め寄られている図だ、知らない人が見たら奇妙だろう。
「……あっちにふすま付きの席があるけど、行かない?」
さすがに見て見ぬふりするわけにもいかず、レイが提案する。
「いいですね、そちらに行きましょう」
(ありがとうございます、レイさん)
スズエが目でお礼を言う。レイも(さすがにあれじゃ目立つからね……)と同じように答えた。
「どれ注文しますー?」
佑夜がメニュー表を渡しながら尋ねる。
「私は安いのでいいかな……」
「スズエはこれですね」
「あ、勝手に決められた!」
「スズエはもう少し食べないとダメですよ」
「むー……」
「あ、じゃあオレも同じのにしようかな?」
これだけ見ていると普通のきょうだいなのだが。
スズエが一人で荷物番していると言ってくれたため、ドリンクを持ってくる間に男性に絡まれていた。
「お姉さん、きれいだねー。連れがいるの?」
「見て分かる通りですけど。用がないなら別のところに行ってくれません?」
「えー、いいじゃんか。話そうぜ?」
あ、ヤバイ、とレイ達が思った時には遅かった。
「もしもし?うちの妹に何しているんですか?」
エレンが黒い笑みを浮かべながら肩を掴む。
「え、その……」
「はいはい兄さん落ち着いてねー」
スズエがため息をつきながら告げると、彼は手を離す。同時に男性は逃げるように去っていった。
「兄さんが荷物番をしていたらよかったですね」
「ううん、そんなことないって。あ、ありがとう」
ドリンクを受け取りながらスズエはエレンをなだめる。あれでも抑えているのだから驚きだ。
(まぁ、警察沙汰になるわけにもいかねぇもんな……)
先ほどの男性を憐れみながら、ほかの人達も戻ってきた。