もしもデスゲーム前にみんなが会っていたら その三
第三話です。
今回はカナクニ、ハナ、タカシが出てきます。
全員出せるかなぁ……?
次の日、みんなで美術館に向かうとピンク色の髪の女性と黒髪の男性が立っていた。
「あ、こんにちは。よく会いますね」
「こんにちは、カナクニ先生。ハナさんもこんにちは」
どうやらスズエは顔なじみらしい。かなり顔が広いと思いながら、美術館を回る。
「なぁ、スズエ。これは?」
「中世で描かれた絵画だぞ。かなりナイーブな絵だけどな」
シンヤが聞くとスズエがすぐに答える。美術関係にも精通しているらしいとすぐに分かる。
昼過ぎ、ついでだからとハナとカナクニも一緒にランチに行く。
「スズエさん、本当に詳しいですね」
「見るのは楽しいですからね」
ハナとスズエが話している間、エレンがカナクニに「妹とはどこで会ったんですか?」と聞いていた。
「美術館ですよ。今年偶然会ったんです」
「なるほど……」
(あー、これ……多分すっごい警戒しているんだなぁ……)
まぁ、怪しいけれど。かなりのシスコンなんだなぁ、とレイもすぐに分かった。
……その後ろでユウヤ達も鬼の形相をしていたのは気付いていないことにしよう、うん。
「兄さん、兄さん」
「どうしました?スズエ」
「どうぞ」
それを見ていたスズエがハンバーグを渡してきた。
……それだけでエレンはダウンした。
(スズエおそるべし……!)
おそらくこうなった時のために編み出した技なのだろう。
そのあと、公園に行くと青髪の男性がベンチに座っていた。
「あ、タカシさん」
「おう、スズエか」
「ボクシングはどうですか?」
「次の試合も出られるぜ。応援しててくれな」
スズエが話しかけると彼はニコッと笑いながらスズエの頭を撫でた。
「……ロリコン……」
「聞こえてんぞ、そこ」
エレンが呟くとタカシがそう声をかけた。チッと舌打ちをし、隣に座る。
「ねぇねぇ、今度応援に行かない?」
「えぇ、いいですよ」
スズエの案にエレンは即答した。早すぎる。
「オレも行きたい!」
「では、シルヤも行きましょうか」
計画を立てるのが早い、と思いながらレイは本を読み始めた。