スズエ争奪戦 その三
この二人の安心感よ……。
霜月兄弟は比較的おとなしいからな……(スズエに何かあったらブチ切れて暴走はするけど)。
守護者達ときょうだい達が別のところに行っているからと離れた時、レイとランが声をかけてきた。
「スズエ、エレン達は?」
「別のところを探索するみたいですよ。私はちょっと疲れたのでここで休憩中です」
「そうなのか。じゃあ、オレ達もここにいていいか?」
「あぁ、大丈夫」
スズエがベンチの端によると、二人も座った。
「あ、飲むか?」
「ん?いいのか?」
「あぁ」
「それじゃ、遠慮なく」
ランがリンゴジュースを渡してきたため、それを受け取り飲む。
「それにしても、本当にスズエが大好きだよね」
「あはは……今まで一緒に過ごせなかった分、どうしても構いたくなるんでしょう」
レイの言葉にスズエが苦笑いを浮かべながら答える。
「フフッ、そうかもね。俺もランによく構ってるし」
「ちょ、一緒にするなよ兄さん……」
オレはあそこまで酷くねぇよ……とランは顔を赤くしながら小さな声で反論する。
「あー、でもスズエみたいな妹、欲しかったな」
「レイさんって妹さんいましたよね?」
「いるけど、両親が介入しているからね」
レイがニコッと笑う。
その時、ケイとタカシ、それからゴウとマイカがやってきた。
「二人とも、ずるい!」
「俺達もスズちゃんに構いたいんだけどなー」
「本当にスズエはモテモテだね」
今度はレイが苦笑いを浮かべ、「ラン、また夜にシルヤ達と一緒にスズエの部屋に行こうか」と言ってその場を去っていった。