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スズエ争奪戦 その二
何度でも言おう、こいつらスズエ大好きすぎだろ。
さて、ホテルに着き予約していた部屋まで向かう。部屋の都合上(そして平等性を考えて)スズエは一人部屋だ。
荷物を置き、何をしようか考えていると廊下がバタバタと騒がしくなってきた。そして部屋が開く。
「スズ姉!あーそーぼー!」
「お兄ちゃんずるい!わたしも遊びたい!」
あー、やっぱり来たなー、とスズエは遠い目をする。
そしてこのパターンはおそらく……と扉を見ると同時に緑の髪が見えた。やはり……と心を無にする。
「スズエさーん!構ってー!」
もうどうにでもなれ……と半ばやけくそになりながら腕を引っ張られている。
守護者陣ときょうだいで探索していると、霜月兄弟に会う。
「あ、スズエと探索中なんだね」
「うん、デート中。だから邪魔しないでね」
「スズエ、また後で一緒に出掛けような」
アイトが牽制するように見たが、レイは気にせずスズエに声をかけた。
スズエ争奪戦はまだ始まったばかり……。