152/756
ホワイトデー シンヤバージョン
遅れてしまったパート2。
あとはケイさんだけですね(泣)
「おーい。スズエ」
シンヤが手を振っている。スズエは「すぐ行くから」と駆け寄った。
「どこに行くんだ?図書館?」
「いや、今日はちょっと休もう。たまにはな」
「まぁ、根詰めても疲れるだけだしな」
「だったら、水族館行ってみたい。初めてなんだ」
シンヤの提案にスズエは「いいぞ」と頷く。
「おー……すごいな……」
水族館に来ると、シンヤは目を輝かせていた。
「来たことないもんな」
「あぁ。……今度、ユウヤとも来たいな」
少し寂しげに、シンヤは呟く。
「……そうだな。たまには兄弟で一緒に出掛けてこい」
シンヤとユウヤは、今までほとんど一緒に過ごせてきていなかった。だから一緒に出掛けても、誰も文句は言わないハズだ。
「せっかくのデートなのに、ちょっとしんみりしちゃったな」
「まぁまぁ、いいじゃないか。事情を知っている仲だし」
ほら、もう少し回ろうとスズエはシンヤの手を引く。それに優しく笑いながら「そうだな」と呟いた。