エレン、アイトの誕生日
今月の九日はエレン、十一日がアイトの誕生日です。
エレンの方は単純に間に合わなかった(すまぬ……)。
「兄さん、忙しくてごめんね。これ、誕生日プレゼント」
スズエがエレンに新品の調理器具を渡す。それにエレンは「ありがとうございます、大事にしますね」と嬉しそうに笑った。
「今日、アイトと一緒に食事に行かない?」
「いいですね、アイトも今日、誕生日ですもんね」
スズエの提案に兄は頷く。それならとシルヤとアカリ、ユウヤとシンヤにも連絡を入れる。
七人で食事に行くと、「でも、急にどうしたの?」とアイトが聞いてきた。
「今日、お前の誕生日じゃんか」
「そうそう。スズ姉、どうしようか悩んでたんだぞ」
「シルヤ、余計なこと言うな」
「でも実際、悩んでいただろ」
その言葉にアイトはキョトンとする。「そういや」とスズエが小さめの箱を渡した。
「それ、あげるよ」
その中身は、シルヤやスズエが持っているものと同じネックレス。エレンやアカリにも上げたものだ。
「もうお前もきょうだいみたいなものだしな」
「……ありがとう」
きょうだいと認められて、アイトは胸が温かくなった。
「シンヤとユウヤさんも、今度準備しますね」
「いいの?」
「はい。色違いになるとは思いますが」
「ありがとう」
そのまま、七人は「きょうだい」の時間を過ごした。