レディーファーストとは……?
スズエちゃん、君も女の子なんだよ…(汗)
「たまには旅行に行くか?」
仕事の途中、スズエの提案に全員が乗ってきた。
「いいね、行こうよ」
「ちょうど春休み期間に入るもんね」
「車は運転しますよ、あと二人運転してほしいですけど……」
「キャンピングカーも三台予約しておくよ」
全員が乗り気でスズエは安心する。
「じゃあ、明日にでも予定を組もうか」
「わたし、二泊してみたいです!」
「あたしは桜、見てみたいかも……」
ワイワイと盛り上がりを見せる彼らに、スズエは優しく笑った。
そうして、旅行に向かう日。
「高いから気を付けて」
「ありがとうございます、スズエさん!」
女性陣の手を持ち、キャンピングカーに乗せていく。女性陣を乗せると、自身の乗る方に歩いていき、
「ユウヤさん達もどうぞ」
手を差し出してきた。
「……えっと、スズエさん。何してるのかな?」
「……?こういうのはレディーファーストでしょう?」
「ボク、一応男なんだけど……」
目を丸くしている少女にユウヤは苦笑いを浮かべる。そして、
「スズエさん、どうぞ」
ニコッと手を差し出すと、キョトンとした後頬を染めてその手を取った。