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愚かな双子の話
本当は本編に入れたかったネタ。
なんで入れなかったのかって?忘れていたんです。
「……私達、昔殺したことがある」
その言葉にランはスズエの方を見た。
「本当に殺したわけじゃないけどな。……私とシルヤは、「カナエとカイト」を殺したんだ」
「…………」
「今ここにいるのは、幼い二人を殺した愚かな双子なんだよ」
それを聞いていたランはスズエを抱きしめる。
「……死んだわけじゃないだろ?」
「でも、おじいちゃんとおばあちゃんがつけた名前は失った。……殺したも同然だ」
「違うよ、カナエとカイトはまた生き返ったんだよ。でも、同じ名前は使えなかったからそうなっただけだ」
その言葉に、スズエはギュッとランの背中に腕を回す。
「……そう、なのかな?」
「そうじゃなきゃ、お前達はここにいないだろ?」
優しく囁く言葉にスズエは涙を流す。ランはその涙を優しくぬぐった。