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安心するぬくもり
レイさんと結ばれた時の話です。
そりゃ、死ぬ瞬間なんてトラウマになるよな……。スズエや別作品だけど蓮とかシンシアが特殊なだけで。
「や、やめ……!!死にたくな……!」
レイがそう懇願するも、巨大な刃は彼の首めがけて――。
ハッと、レイは飛び起きる。
「キャッ!?……どうしました?レイさん」
まだ眠っていなかったらしく、スズエが驚いたように彼を見た。
「な、なんでも……」
「なくはないでしょう?大丈夫ですか?」
スズエがそばに来て、レイの頭を撫でる。
ギュッと手を握り締めた。最初は怖いと思っていたのに、いつの間にか惹かれていた彼女。
「……あの時の夢を見たんだ。殺されるときの……」
レイは一度死んだ。それは紛れもない事実。今なぜここにいるのかと言えば、目の前の彼女が蘇らせてくれたからに過ぎない。
スズエは優しく抱きしめた。
「そうだったんですね、大丈夫。あなたはちゃんと生きているし、私もそばにいます」
「……うん」
そのぬくもりは安心するものだった。まるで恐怖を溶かしてくれるように。