バレンタイン アイトバージョン
アイトバージョンです。
彼もいいキャラなんですよね……。
「スズエさーん」
「こら、抱き着くな」
仕事中のスズエにアイトが抱き着いてくる。
今は夜七時、本当ならこいつはもう帰っているハズなのにと彼をジッと見る。
「どうしたのー?」
「いや、なんでお前いるの?仕事は終わったんだろ?」
「うん。ちゃんとタイムカードも押したよ」
「じゃあ帰れ」
「今日はスズエさんと一緒に帰りたいな。ダメ?」
ニコニコしながら言われ、スズエは「……仕方ないな」とため息をつく。
「早く済ませるから待っててくれ」
「分かったー」
その会話を最後に、沈黙が流れた。
そうして何とか仕事を終え、二人は帰路に着く。
「ねぇ、スズエさん」
「なんだ?」
「その紙袋、何?」
アイトに指さされ、スズエは思わず隠してしまう。
「き、気にするな……」
「えー?気になるじゃーん」
「…………」
「わっ」
突然スズエが紙袋をアイトに投げる。何とかキャッチした彼がスズエを見ると、「……あげる」と顔を赤くしながら呟いた。
「あー。そういえば今日、バレンタインだもんね」
「うっさい」
「ありがとう、もらうね」
ニコッと笑い、アイトはスズエの手を握った。