100/756
いい匂いがする……
スズエちゃん、お疲れモードですね……。
頑張れ、恋人になった奴……!(この話ではレイさん)
仕事をしているとジッと、スズエがレイを見ていた。
「……どうしたの?所長さん」
レイが尋ねると、突然スズエが抱き着いてくる。さすがに驚いて「ちょ、ちょっと!?」と声を出していた。
「あ、ごめんなさい。いい匂いがしたから、つい……」
「そ、そう……恋人だったからよかったけど、誰かも分からない男の人にやったらダメだよ?」
「レイさんにしかやりませんって。……香水か何か使ってます?」
「いや、使ってないよ。柔軟剤じゃないかな?」
「なるほど……」
クンクンと今なお嗅いでいるスズエに、レイも同じように嗅ぎ始める。
「れ、レイさん?」
「スズエもやってるからお返し」
そうは言うが、思った以上にいい匂いで理性が飛んでしまいそうになるのをどうにか抑え込んだ。