全社員の顔が豚顔化しても仕事は続く
会社中に響き渡る豚鼻!
まるで養豚場かと思えるような騒々しさである。
しかし豚鼻を鳴らしているのは豚ではなく
豚顔(千と千尋の両親がなったような醜い豚顔)の社員達
少し前までは、ありふれた人間の顔をしていたわけだが今では全員が醜い豚顔になっている。
かくいう私も醜い豚顔になっていた。
元からちょいブサではあったが、今はそれを遥かに上回る醜さである。目が細くて鼻の穴が上向きで突き出ている、顔だけではあるが養豚場の豚と遜色ない醜さ。
試しに鼻を振動させて息を吸ってみると、私の鼻からも野太い豚鼻が発せられた。
「ヤバっ!本当に豚やん(;^ω^)」
こんな状況で今日は仕事がこなせるのだろうか・・・。
管理職マインドの私は、こんな状況でも今日の仕事のことを考えていた。
ショックを受けて皆、帰るかもしれないな。
その時は私だけでもフル回転しなきゃいけないかもな。
「泣いていても仕方がないわ!とりあえず今日の仕事を終わらせてから考えましょう!」
リーダー格である女性社員(醜い豚顔)の一言があった。
それを機に、醜い豚顔の社員達もそれぞれの持ち場に戻っていく。
以前からの評価でリーダー格にしていたが、こんな時にも気丈に振る舞って士気を上げられる。
これはますます頼もしい。思い描いていたよりも早くに彼女を昇進させるべきかも(もちろん業績が維持できればだが)。
そんなことを思いながら私もデスクに戻っていた。
課のメンバーも当然のごとく皆、豚顔になっている。
元々うちの課には美人やイケメンがいなかったが、それでも醜い豚顔の人間ばかりの光景はなかなか衝撃的だった。
読者の皆様も想像してもらいたい。
自分の会社で同僚が全員、養豚場の豚と遜色ない醜い豚顔になっている光景を。(楽しいでしょ?)
とはいえ、たまっている仕事もあったためか全員が真剣に仕事に向き合っていた。
いかんな、部下達も仕事に熱中しているのだから私も課長の仕事に熱中しよう。
それから30分ぐらい経過した頃に怒号が飛び交う。
「早くしなさいよ!(怒)」
「ムチャ言わないでよ!(怒)」
課内で口論が起き始めた。