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平和の論理

作者: だるまんず

あなたが平和を求めるならば「武力報復を望まない」と宣言してください。


「世界が平和になってほしいですか?」

と問われて、「いいえ」と答える人はほとんどいないでしょう。


ほとんどの人がそれを望みながら、なぜそれは手に入らないのでしょうか。


その根源にあるのが「武力報復を望む」姿勢です。


武力報復は、平和のために必要な時代がありました。

攻撃に対する武力報復がなければ、一方的に支配され奴隷化され殺されました。


今でも戦地で捕虜となった人に対して、非人道的扱いをしていた例が報告されています。

報復する力がない相手に対する非人道的行為は自然発生的に起こっているのが現実です。


だから、武力報復すると宣言し、武力報復する能力を持つことで、

支配から逃れ、非人道的扱いを受けないようにしている。

「抑止力=武力報復能力」という思想です。


例えば、北朝鮮が潜水艦発射型の核弾道ミサイルの開発をしているのは「抑止力」だ

と主張しています。


たとえ独裁者が死んでも、国土が焦土と化しても

世界中のどこかの海に潜んで武力報復することができます。


しかし、隣国である日本にとっては脅威でしかない。

脅威を除去したいがために、経済制裁を行い、物流を止め、非難している。

アメリカによる核の傘という核抑止力を失わない為にアメリカファーストを貫いている。


双方が「抑止力」を掲げて軍事力を誇示し、相手に降参させようとする状況は

昔の大きな戦争が起こったプロセスと同じ構造で、平和とは逆方向に作用している。

それでもそこから抜け出せない恐怖の論理。


平和の論理はその逆、「武力報復を望まない」という論理。

核兵器で攻撃され、自分の家族が無残に殺されたとしても武力報復は望まない。


この考え方は恐ろしい。世界の常識に反する。

武力報復をしない国に対する一方的な蹂躙が現実に起こることが予測できてしまう。

だから国家にそれを求めるのは難しい。

国民の命が奪われても何もしないと宣言する国家は支持を得られない。


でも、考えてほしい。

武力報復として使われる力は、攻撃を決断した人だけではなく

無関係な自分と同じ苦しみを持つ人を生み出す。

武力報復を望むということは、殺人を望むということだ。

それをしたところで、失ったものは戻ることはないのに。


そんなことは望んでいない、相手の攻撃に対する報復であって、

この事態を招いた罪は全て相手にある。

国家元首がそれを言う。

それを言わせてるのは、恐怖の論理から抜け出せない国民、あなたであり私だ。


だから、この平和の論理「武力報復を望まない」という思想を認めてほしい。

平和のために宣言してほしい。武力報復に資する決定に反対してほしい。

多くの人がそれを望むならば、国家も動く。


黙って殺されるべきだ、と言っているわけではない。

武力に寄らない報復はしても良いと思っている。

相手が攻撃をしようとするなら、それを止めるように訴えるべきだ。


自衛隊を廃止するべき、と言っているわけではない。

降ってくるかもしれないミサイルを1つでも撃ち落とす仕組みは持ってた方がいい。

都市上空から爆弾を落とすような航空機を侵入させないための兵器も必要だろう。

武力報復に利用可能な武器以外は否定しない。


現実の世界からは遠い思想であることはわかっている。

しかし、報復にしか使えない核兵器については、禁止を訴える国が増えている。

少しずつでも、この思想が広まることを祈っている。

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